(17)中距離核戦力(INF)交渉に関する米国提案についての安倍外務大臣談話

(1983年3月31日)

1.今般レーガン大統領は,米国としてINF交渉において,あくまでゼロ・オプションを最終目標としつつ,世界的な観点に立った暫定的な解決案につきソ連と交渉する用意がある旨を明らかにした。

2.INF交渉においてソ連は,世界の平和と安全にとって最善の提案であり,全世界的な観点に立つと考えられる米国のゼロ・オプションを頑なに拒否し続けており,このため交渉の進展が少しも見られないままとなっている。かかる現状を打開しINF交渉の実質的進展を図るため,今般レーガン大統領自らが,大局的見地に立って,従来の原則的立場を踏まえつつ暫定的な解決案につき交渉する用意がある旨明らかにしたことは,米国のINF交渉に臨む真剣な姿勢を改めて示すものとして,我が国としてこれを高く評価し,かつ支持するものである。

3.INF交渉は,広く全世界に影響を及ぼすグローバルな関心事であり,我が国として従来同交渉の成行きを注意深く見守ってきている。

4.今次レーガン大統領提案を契機として交渉が実質的に進展し,世界的な観点に立ち我が国を含むアジアの安全保障が損われないような形で解決が図られることを期待する。

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