2.我が国が行った主要演説等

(1)ポーランド情勢に関する外務大臣談話

(1982年1月14日)

1.我が国は,ポーランドの問題が,外部からのいかなる干渉にもよることなく,ポーランド国民自身によって解決されるべきであるとの立場を繰り返し表明してきた。

しかるに昨年12月のポーランドにおける戒厳令の布告とそれ以降の同国における事態は,ポーランド国民自身による対話と民主的話合いによる国内諸問題の解決への努力を妨げており,政府は,ポーランド政府に対し現下の異常な事態を早急に終了させることを強く希望する旨申し入れたところである。

2.さらに今般のポーランドの事態はソ連の圧力の下に生じたものであると判断せざるを得ず,このような見方は西側諸国の共通の認識となっており,我が国もこれを共有するものである。

このような認識に基づき,我が国政府としてはソ連政府に対し,ポーランドにおける今般の事態がソ連の圧力の下で生じたものであり,その意味においてソ連は責任を有するとの考え方を直接ソ連側に表明し,ソ連側の自制を求めてきているところである。

さらに,我が国としては,ポーランドにおける今般の事態が東西間で進められてきた協力・交流関係を脅かすものであり,ひいては国際情勢に重大な影響を及ぼすものであるとの観点から深い憂慮の念をもって見守っている。

3.右のような認識に立ってポーランド問題に対処していくに当たり,我が国としては,西側先進民主主義諸国の一員として,西側諸国の結束を維持し,西側諸国と協調して行動することが重要であると考える。

このような観点からソ連およびポーランドとの間の各種交流の分野その他の分野でいかなる措置をとることが適切であるかにつき,今後とも検討していく考えである。

また,政府として,他の西側諸国のとる措置を損うことのないよう配慮していく考えである。

さらに政府としては,国連等種々の国際機関においても他の西側諸国と協調しつつ適切な行動をとっていく考えである。

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