第6章 邦人の渡航と保護・援助

第1節 概要

国際的な相互依存関係が深まる中にあって,我が国の海外渡航者数は,82年には408万人余と史上最高を記録し,海外在留邦人も46万人(長期滞在者21万人,永住者25万人)を超すに至っている。

かかる邦人は,資源小国たる我が国の発展と繁栄を支える基盤を形成していると言っても過言ではなく,外務省としては,かかる邦人が海外において安んじて活動できるよう邦人の保護及び福利の向上に努めている。

近年,海外在留邦人数が増加するとともに,その分布も世界のあらゆる国に広がっており,世界各地の動乱,紛争,ハイジャック事件等に邦人が巻き込まれるケースが増加しており,外務省としては,かかる邦人の保護・援助に遺漏なきを期した。

また,在留邦人ができる限り国内とほぼ同様の福祉を享受することができるよう子女教育,医療等において諸施策の充実に努めるとともに,特に82年においては,在留邦人に選挙権行使の道を開く方途につき,自治省と共に本格的に検討を開始した。

 目次へ