(14) ポーランド人権問題に関する第38回国連人権委員会決議1982/26(仮訳)
(1982年3月10日,ニューヨーク)
人権委員会は,国際連合憲章及び世界人権宣言の諸原則を想起し,これらの諸原則の維持を促進し擁護すること及びすべての者のために人権と基本的自由の尊重を確保することに対する責任を自覚し,すべての加盟国が人権及び基本的自由を保護し人権の分野における各種国際協定に基づく諸義務を履行する義務を負っていることを重ねて主張し,発生地のいかんを問わず人権の侵害に引続き注意を払うことを決意し,ポーランドにおける最近の出来事が著しい人道問題を発生させている事実を了知し,
1. 何千人もの人々の恣意的逮捕及び拘禁,表現の自由の権利及び平和裡に集会する権利の否定並びに独立の労働組合を組織し参加する権利の停止を含む,ポーランドにおける人権及び基本的自由の広範な侵害についての継続的報告並びに戒厳令違反に問われている者に対する厳罰の賦課に深い懸念を表明する。
2. 外部からの干渉なしに政治的,経済的,社会的及び文化的発展を追求するポーランド人民の権利を確認する。
3. ポーランド当局が人権及び基本的自由の行使に対する規制措置を終了させる意図を表明したことに留意する。
4. 上記3の表明された意図が,特に,罪なく拘禁されているすべての人々の釈放,ポーランドにおいて戒厳令状況下で課されている厳しい懲役刑の再検討,情報の自由な頒布に対する規制の解除に関して,極めて近い将来に実現されるよう希望を表明する。
5. ポーランドにおいて活動している国際的及び国内的な人道的諸団体の活動の重要性を強調する。
6. 事務総長又はその任命する者に対し,ポーランド政府が提供することのある意見及び資料を含め自己が適当と認める情報に基づき,ポーランドにおける人権状況の十分な研究を実施し,包括的報告書を第39回人権委員会に提出するよう要請することを決定する。
7. ポーランド政府に対し,事務総長又はその任命する者に協力するよう要請する。
8. 事務総長又はその任命する者の報告に基づき第39回人権委員会における優先事項として,ポーランドにおける人権及び基本的自由の状況を検討することを決定する。