(2) 「北方領土の日」に当たっての内閣総理大臣談話
(1981年2月7日)
本日2月7日は,北方領土の日であります。
今を去る126年前の今日,日露通好条約が下田において調印され,択捉島と得撫島との間に平和裏に両国の国境が定められました。この条約によって,歯舞群島,色丹島,国後島及び択捉島の北方4島は我が国の領土であることが,両国間で初めて確認されたのであります。
我々の父祖が汗と力で築きあげてきた我が国固有の領土であるこれら北方4島が戦後35年を経た今日なおソ連の占拠下に置かれたまま祖国復帰が実現していないことは,日ソ両国間の平和友好関係の促進のために誠に遺憾なことであります。
現在北方領土問題を巡る情勢には極めて厳しいものがありますが,北方領土問題はあくまでも平和的な話合いによって解決すべき問題であると考えます。政府は,北方4島の祖国復帰を実現して平和条約を締結し,日ソ関係を真の相互理解に基づく安定した基礎の上に発展させるとの方針に基づき,国民世論の力強い支持を背景に,この問題の解決のためなお一層の努力を傾けてまいる決意であります。
ここに,長年北方領土問題に取り組んで来られた多くの方々の御努力に対して深く感謝いたしますとともに,皆様方の御努力と国民の総意が実り,2月7日が「北方領土の日」から真の「日ソ友好の日」となることを国民と共に強く祈念するものであります。