第5節 行財政問題
(1) 国連は,平和と安全の維持,経済・社会の分野における国際協力などあらゆる分野において年々その活動を拡大しているが,これに伴いその行財政面,すなわち,予算,人事,組織などの面においても多くの問題が生じている。
(2) 第36回総会においては,82年~83年度国連計画予算が審議され,支出額約15億600万ドルが承認された。これは,80年~81年度改訂予算約13億3,900万ドルに比べ約12.5%の増加となっている。
今回の予算の増加率は,前会計年度当初予算の増加率(14.5%)をやや下回ったものの,プログラムの効率化・合理化及び予算伸び率抑制に関する従来の要望を十分反映したものではなかったため,本予算案に対し,我が国は米国,英国,西独等西側先進諸国とともに反対投票を行った。
(3) 更に,次回の分担率の改訂は,82年の総会で決定される予定となっているが,これに先立ち第36回総会では,開発途上国から分担率算出方式につき,中進国を含む開発途上国の負担をより軽減する新たな方式が提案された。
これは,分担率の細かな算出方式は,公平な立場にある分担金委員会の専管事項であるとの従来の慣行に反するものであり,また,最終的には,先進国の分担率を引き上げるものである等の理由により,我が国を含む先進国には受入れ困難なものであった。このため,この算出方式については,結局合意を見るに至らず投票に付された結果,賛成多数により決定された。