(6) こカーター米大統領のソ連戦闘部隊キューバ駐留問題に関す

る演説(要旨)

(1979年10月1日,ワシントン)

(1) キューバにおけるソ連軍は重大な懸念の対象であるが,直ちにさしせまつた脅威ではない。しかし我々に対する挑戦であり,我々が「計算された効果的な対処」(measured and effective response)をなしうるかが問われている。

(2) ソ連軍の戦闘部隊(ただし,攻撃部隊ではない。)はカリブ海の緊張を増加させるものである。

(3) 米国は,本件に関しソ連と3週間にわたり協議した。その結果,ソ連側最高首脳は次のステートメントを行つた。

(イ) 本件部隊は訓練センターであり,訓練以外の活動を行つたことはない。

(ロ) ソ連の部隊はその任務ないし地位を変えることはない。

(ハ) ソ連の部隊は米国,その他諸国に脅威を与えるものではなく,今後ともそのようなことはない。

(ニ) 1962年の了解及び右了解に関する1970年の確認内容を再確認し,これを今後とも遵守する。

(4) しかし米国はさらに次の措置をとる。

(イ) キューバ偵察行動の強化。

(ロ) キューバにおけるソ連部隊が米国及び西半球の安全に対する脅威として利用されないよう確保する。これらの国はソ連またはキューバ軍により脅かされ,援助を求めたときは,米国の援助がえられることを確信してよい。

(ハ) 常設カリブ海タスクフォース司令部(Fu11・timeCaribbeanJointTaskForceHeadquarters)をフロリダ州キーウェストに設立し,これにより一朝有事の際対応する。

(ニ) カリブ海の軍事演習強化。グアンタナモ基地は当然維持する。

(ホ) カリブ地域の人道的,経済的必要を満たすため経済援助を強化する。

(ヘ) 米国及び全世界のため,緊急展開部隊(RapidDeploymentForces)が助力を求められたとき援助するようにし,またインド洋海軍力も増強した。

(ト) キューバのみならず全世界で情報収集努力を強化する。

(5) 以上は,米国の力を維持する自分の決定である。本件は冷戦へ逆行することを正当化するものではない。ソ連とは競争とともに協調し,なかんずく平和維持のために協力するという基本政策を続ける必要がある。従つてSALTはきわめて重要である。

上院が責任を果すことを期待する。

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