7. 国連工業開発機関(UNIDO)

(1) 事業活動

79年においては,第13回工業開発理事会及び第11回常設委員会が開催され・UNIDOIIIの準備のためのIDB特別会期,1981~82年における協議システム諸会合の開催などについて決定が行われた。

工業開発基金(UNIDF)に対しては,79年度において1,200万ドルの拠

出が行われた。また,産業の再配置を検討している協議システムは,農業機械産業,石油化学産業及び鉄鋼産業の各会合が行われ,各分野の専門家による意見交換が行われた。

(2) 憲章作成会議

76~77年までの5回の憲章起草政府間全体委員会,78年の第1回憲章作成全権会議を経て,79年3~4月にウィーンにて第2回憲章作成全権会議が開催され,4月8日,UNIDO憲章が全会一致で採択された(わが国は80年1月18日,本憲章に署名した)。

(3) UNIDO第3回総会

UNIDO第3回総会は,80年1月21日より2月9日まで,ニュー・デリーにおいて133の加盟国の参加のもとに開催された。

同総会において,開発途上77ヵ国グループ(以下G77と略す)は,本件会議に直接的関連のない政治問題を取り上げるとともに,途上国の工業化促進のための3,000億ドルの南北基金の設立など,経済問題についても現実を無視した過大な要求を盛り込んだ「ニュー・デリー宣言及び行動計画」案を提出した。

その後の先進国側との交渉は,折り合いがつかないまま推移し,会議最終段階に至り,G77側は,同グループ提出の原案を強行に採決に付した結果,同案は,賛成83(G77諸国,ソ連・東欧諸国,トルコなど),反対22(トルコを除く先進国グループ),棄権1(ヴァチカン)にて採択された。

(4) わが国の協力

79年の具体的な協力としては,UNIDO事務局よりの要請に応じ,中小企業管理システムプロジェクトに対する資金援助,国際協力事業団による研修員(11名)の受入れ,また,国内企業における研修事業として,機械工業生産者管理コース及び工業製品品質改良コース(計20名)を実施した(さらに80年3月,UNIDO投資促進事務所の本邦設置に関し,政府とUNIDO事務局との間で交換公文を締結した。同事務所は,80年7月より2年間活動することになつている)。

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