2. 全体委員会
80年開催の国連特別総会までの間,南北問題を総合的に扱うフォーラムとして,第32回国連総会により設立された全体委員会は,そのマンデート問題をめぐり南北間で意見が対立し,その開催が一時中断される事態も生じたが,第33回国連総会において単なる意見交換のみならず交渉の場としても機能し得るとのラインで解決が図られ,ようやく79年から再開された。同委は,79年中3回開催され,第1回会期(1月)にて実物資源の移転,第2回会期(3月)にて農業食糧問題についての合意テキストを採択し,第3回会期(9月)では,グローバル・ネゴシエーションズ(3.(1)参照),及び島嶼国についての決議を採択した。全体委が南北対話の場として機能し,かかる合意テキストを作成するに至つた点は,先進国,開発途上国双方とも一応評価している反面,開発途上国側としては,援助などにつき先進国からのなんら新しいコミットメントが得られなかつたことに不満を残したことは否めない。
なお,全体委はNIEOに関する合意の実施の監督,交渉の促進などの従来のマンデートに加え,80年からは,グローバル・ネゴシエーションズ及び80年国連経済特別総会の準備委としても機能することとなつた。