2. わが国と大洋州諸国との関係
(1) 豪 州
(イ) アンソニー副首相は,4月に訪日し,MTN合意を牛場政府代表(当時)との間で確認し,また,10月にも訪日してわが国経済界とエネルギー資源問題を中心に意見交換を行つた。
(ロ) 5月,マニラにおけるUNCTADVの際,日豪首脳会談が行われ,国際経済問題を中心に意見交換が行われた。
(ハ) 7月のASEAN拡大外相会議(於バリ)において日豪外相会談が行われ,アジア・太平洋情勢を中心に意見交換が行われた。
(ニ) 80年1月,大平総理大臣は豪州を公式訪問し,首脳会談などを通じ80年代に向けての,日豪友好協力関係の拡大,強化が確認された。
(ホ) なお,懸案であつた日豪漁業交渉は,4次交渉を経て10月に妥結し,同月漁業協定が締結された。
(ヘ) 79年の日豪経済関係は,懸案であつたMTN(牛肉),漁業交渉などが妥結する一方,両国間で調整を要する新たな問題はなかつた。他方,80年代の両国経済関係が,一般炭,天然ガス,ウランなど石油代替エネルギー資源の開発,貿易で一層の拡大,発展が期待されるとの認識が高まり,これらの資源に関する長期契約の締結や開発投資への参加などの具体的な動きが活発化した。
(2) ニュー・ジーランド
(イ) 4月にトールポイズ副首相が訪日し,外相会談などを通じて,日・NZ両国関係が貿易経済関係のほかにも,文化,人的交流などにより幅広い関係を増進させることにつき確認した。
(ロ) 11月には,日・NZ間に航空路を開設するための航空交渉が行われたところ,同月妥結し,80年1月の大平総理大臣の訪NZの際,両国外相間で航空協定が署名された。
(ハ) 大平総理大臣は,80年1月にNZを公式訪問し,首脳会談で国際政治情勢,2国間間題を中心に意見交換を行つた。
(3) パプア・ニューギニア日・PNG貿易関係も順調に推移し,79暦年では前年比41.5%増となつた。
8月,海外青年協力隊派遣取極が締結され技術協力の強化が図られた。
12月にはオレワレ副首相兼外相が訪日し,外相会談などを通じ,アジア・太平洋情勢及び2国間問題などにつき意見交換が行われた。
80年1月には,大平総理大臣がPNGを訪問し,ソマレ首相との会談を行つた。
(4) フィジー
79年1月,わが国はスヴァに大使館を開設し,両国関係のより一層の緊密化が図られた。
6月,わが国より経済協力調査団が,10月には森林開発調査団が派遣され,また,80年2月には水産無償取極が締結されるなど,経済技術協力が拡大された。
日・フィジー間の航空路開設のための航空交渉が,80年2月に行われた結果,航空協定が3月に署名された。
(5) 南太平洋地域
7月のキリバスの独立に際し,わが国は特派大使を派遣した。
関係島興国沖200海里水域におけるわが国漁船の操業を確保するため,79年においても漁業協議(キリバスと5月及び6月,ソロモンと8月)を行つた。
10月の第19回南太平洋委員会会議にわが国もオブザーバーを派遣し,島嶼諸国参加者と意見交換を行つた。
79年も,島嶼諸国の要請に応え,無償資金協力(4月及び12月,対ソロモンの貨客船供与,教育用機材供与,80年2月,対西サモアの食糧増産援助及び対フィジーの漁業訓練船などの供与)を中心に応分の協力を行つた。
<要人往来>
<貿易>
<民間投資>
<経済協力(政府開発援助)>