(2) わが国とインドシナ諸国との関係
(イ) ヴィエトナム
79年において要人の相互訪問はなく,人的交流には目立つた動きはみられなかつた。貿易面については,わが国の対ヴィエトナム輸出は約1億1,700万ドルにとどまり,78年より45.7%減,対ヴィエトナム輸入は約4,800万ドルで78年より5.1%減となり,輸出入とも不振であつた。
79年度のわが国の対ヴィエトナム経済援助については,意図表明ずみであり,諸般の情勢をみつつ慎重に実施の時期を検討してきたが,79年度中には実施に至らず,引き続きその実施時期を慎重に検討している。
(ロ) カンボディア
わが国は,75年4月19日にカンボディアの新政権を承認し,76年8月に民主カンボディアと外交関係を回復したが,これまで日常の外交活動は主として在北京わが方大使館と先方大使館を通じて行われている。カンボディアの情勢にかんがみて79年中の2国間関係に特に目立つた動きはなかつたが,6月及び10月にイエン・サリ外務担当副首相が国連軍縮特別総会の途次及び国連総会の帰途それぞれわが国に非公式に立ち寄つた。
わが国とカンボディアとの間には未だ正常な貿易関係は再開されていないが,第三国経由による同国との79年の貿易実積は,わが国の輸出(主要品目:車両及び部品)74万5,000ドル,輸入(主要品目:動植物油脂,貴石)31万6,000ドルと極めて低水準にある(69年輸出2億4,350万ドル,輸入655万ドル)。
また,わが国は,カンボディアの情勢にかんがみて政府間経済協力は行わなかつたが,国際機関及びタイ政府によるカンボディア被災民・難民救援計画に対して,79年中に約50億円(ほかに国連難民高等弁務官のインドシナ難民救済計画への拠出として約140億円)に上る拠出を行つており,特に,在タイ・カンボディア難民救援のために医療チームの派遣,飲料水調査,公衆衛生などの技術協力を行つてきた。
(ハ) ラオス
54年度1億3,300万円の無償資金援助を行つた(債務救済1億300万円,スポーツ機材文化無償3,000万円)。
<貿易>