8. アフリカ地域

(1) サハラ以南のアフリカにおける独立国は45カ国を数えるに至り国際社会において発言を増すとともに,資源などの面で世界経済においても重要な役割を担うに至つている。他方わが国の国力の増大に伴いアフリカ諸国のわが国に対する関心も高まりつつある。この結果これら諸国の政府首脳をはじめとする要人の訪日が激増するとともに,わが国の経済協力に対する期待も急速に増大してきている。

わが国は増大しつつある国際的責任に応え,これら諸国の国造りに可能な限り協力を進めるとともに,今後これらの国々との間で更に幅広い分野における協力を通じて,友好親善関係を一層強化していきたいと考えている。

(2) このような考えに基づき,7月には園田外務大臣がナイジェリア,象牙海岸,セネガル,タンザニア,ケニアの5カ国を公式訪問し,各国首脳との会談を通じて相互理解と協力関係増進の上で大きな成果をあげた。また4月にはセネガルのサンゴール大統領が国賓として来日したのをはじめ,アフリカ諸国からの大臣級の来訪だけに限つても,79年中に28人を数え,アフリカ諸国との友好関係の増進に寄与した。

(3) アフリカ諸国が一致して解決を求めている南部アフリカ問題(ナミビア及びローデシアの独立達成と南アフリカの人種差別政策の撤廃)については,わが国は人種差別に強く反対し,同地域の諸問題が公正かつ平和裡に解決されるよう可能な範囲で積極的な協力を行うことを基本的立場としており,ローデシアに対する国連経済制裁決議を忠実に履行したほか,南アとの関係も制限的なものとしている(12月のロンドンにおけるローデシア制憲会議で全当事者の合意が成立し,国連安全保障理事会が対ローデシア経済制裁を解除したが,わが国もこれを受けて対「ロ」経済制裁を解除した)。

(4)  経済・技術協力の分野においては,79年には顕著な協力の増大がみられた。2国間政府開発援助(支出額ベース)についてみれば,78年の105.5百万ドルから79年には186.7百万ドルに,また,そのうら特に無償資金協力については,78年の18.3百万ドルから79年には46.3百万ドルヘと増大した。

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