-環境問題-

第6節 環境問題

環境汚染の問題は先進工業国共通の重大問題であるとともに,その生物的,経済的影響が全世界に及ぶことから,この分野での国際協力が不可欠となつている。このような認識の下に現在各種国際機関,2国間などの場で,情報交換,人的交流,研究の共同企画及び実施など緊密な協力が行われている。

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1. 日米環境保護協力協定に基づく第3回合同企画調整委員会

75年8月5日に署名された「環境の保護の分野における協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」に基づく第3回合同企画調整委員会が1978年9月11,12,及び13日の3日間ワシントンにおいて開催された。

同合同委員会では米国環境保護庁(EPA)次官バーバラ・ブラム女史が米国代表団長を勤め,山田久就環境庁長官(当時)が日本代表団長を勤めた。同合同委員会において日米両代表はそれぞれ日米両国における環境政策の主要な動向について見解を述べた。また,前記協定に基づいて実施中のプロジェクトの活動状況及びその成果について討議され,評価が行われた。さらに,新規協力プロジェクトとして,(1)水質管理規制,(2)環境経済学と汚染防止のためのインセンティヴ,(3)日米両国における水保全と流量の削減,の3プロジェクトの設置が合意された。

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2. OECDにおける環境問題

OECD環境委員会では70年の設立以来,大気,水,騒音,化学品,廃棄物,エネルギー問題など広範な分野にわたり,国際協力を進めてきている。現在,80年代における環境政策のあり方,特に経済政策の変化に伴う環境政策のあり方,「先見的」環境政策のあり方につき検討が行われている。78年においては特に化学品問題,都市問題について活動が活発化した。

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3. 化学品問題

化学品が人体及び環境に与える影響の事前アセスメントについては,近年OECD諸国でその法制化が進みつつあり,こうした規制の相違が貿易面でのNTBとなり得ることに鑑み,OECDではアセスメント手法の国際的調整を行うことになり,テスト手法調整プログラムが78年から開始された。わが国も,分解性・蓄積性に関するテスト手法の調整に関する責任国となり,78年5月には東京で第1回会合を開催した。更に,試験所の基準,情報の機密性などに関する国際的ガイドラインを作成するための特別プロジェクト(3カ年計画)も78年10月に発足し,わが国も本プロジェクトに参加している。

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4. 都市問題

OECD諸国では人口の大部分が都市に集中し,また都市は各国にとつて経済活動の中心となつているにも拘わらず,総合的な都市政策の欠如により都市の機能が損われ,アメニティの喪失を惹起していることに鑑み,OECDでは80年代の重要プログラムとして都市問題の検討を行うこととなり,78年9月以来,本プログラムの準備会合が開催されている。

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