第2節 外交問題に関する記録の整理・刊行及び閲覧
1. 外務省は発足以来外交記録の整理保存に努め，さらに，内外の要望に応じて昭和11年以来，外交知識普及事業の一環として，明治元年から逐年の重要記録を編纂し「日本外交文書」として刊行しており，昭和50年度に大正11年分第1冊の刊行を終えて，刊行総数は133巻に達した。現在大正12年分と併行してワシントン会議および満州事変(昭和6年)の編纂を進めている。
なお，内外研究者等のため，東京都港区麻布台1－5－3に外務省外交史料館があり，主要外交文書の一部の展示，外交記録の閲覧サーヴィス，上記「日本外交文書」の編纂等を行うほか，特別な計画として，一橋大学細谷千博教授，早稲田大学大畑篤四郎教授，慶応大学池井優教授，国学院大学馬場明助教授等を中心として，委員会を組織し，「日本外交史辞典」の編纂も進めている。
2. また，近年，学界，国会等において外交記録の公開を期待する空気が強く，特に戦後史ないし占領行政史に対する関心が高まつてきているので，外務省はこれに応える意味から昭和50年12月，欧米主要先進国の例にならい，30年ルールにより外交記録を公開するとの基本方針を決定し，これに基づき，記録のマイクロ化などの準備作業を経て昭和51年5月31日に第1回公開分を一般に公開することになつた。これら公開記録は外交史料館において一定の手続を経た後希望者の閲覧に供することとした。
ちなみにその第2回分は7月末に公開される予定である。