-赤十字国際委員会における国際人道法の再検討作業- |
1949年の「戦争犠牲者の保護に関するジュネーヴ諸条約」に対する追加議定書を採択するための外交会議が1974年ジュネーヴにおいて開催されることとなった。赤十字国際委員会は,1972年5月の「武力紛争に適用される国際人道法の再確認と発展に関する政府派遣専門家会議第2回会合」(わが国をはじめ77カ国から約400人の専門家が参加した)において検討された結果をふまえて,1973年11月テヘランで開かれる第22回赤十字国際会議に提出する予定であるが,スイス政府は,同国際会議後,外交会議を招集する用意がある旨正式に表明した。追加議定書案は,(イ)1949年のジュネーヴ諸条約(4つの条約)全体に対する追加議定書案で,国際的武力紛争(いわゆる2条紛争)に関するもの,および(ロ)1949年のジュネーヴ諸条約共通第3条に対する追加議定書案で,内乱の如く締約国の一つに発生する非国際的武力紛争(いわゆる3条紛争)に関するものの2つから成る。第2回会合の重点は,戦闘手段・ゲリラ戦闘員,軍事目標と文民目標,利益保護国制度,および非国際的武力紛争などの問題であった。