-国連の強化とわが国の協力-

 

第3節 国連の強化とわが国の協力

 

わが国は,戦後一貫して国連に対する協力を外交政策の主要な柱として重視し,また国連の場を通じて各国との国際協力を推進してきた。

この間において国連の加盟国は132カ国に達し,地球上のほとんどすべての国を網羅する真に普遍的な国際機構に成長した。また国連で取り上げられる問題も,国際の平和と安全の維持から宇宙・人間環境問題や海底という人類に残された最後のフロンティアーの開発と利用の問題に至るまで,人類の活動の全分野にわたるようになつた。今や国連は,単に政治問題だけを取り扱う国際機関ではなく,国際社会のすべての側面について討議する場であり,活動を行なう機関となつている。国際関係の密接化多様化に伴い,ますますこのような国際的な社会連帯の強化を目指す総合的国際機関としての国連の役割は重要なものとなつてきている。わが国としては,このような国連の最近の発展を念頭におきつつ,今やますます多面的な活動が期待されているわが国の外交を実現するための一つの重要な場として,国連を一層積極的に活用していく必要がある。

勿論,成立後四半世紀以上を経過した国連が,世界の人々から期待されている任務に十分に応えているとは言えないことも遺憾ながら事実である。国連がこの四半世紀の間に生じた国際社会の変化に対応して,その任務を有効に果たしていくためには,このような変化を十分反映するものとするよう,国連が機構面および機能面で強化することが重要である。わが国としては,かかる方向への努力を今後とも続けていく決意である。

 

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