-非同盟諸国の動き-

 

第14節 非同盟諸国の動き

 

1. ジョージタウン非同盟外相会議の開催

 

1970年9月の第3回非同盟諸国首脳ルサカ会議以後,非同盟諸国は国連総会のつど外相会議を行なうなど,随時連帯維持の会合を開いてきたが,1972年は特別に外相会議が開かれた。この準備のため非同盟会議常任委員会(16カ国)が72年2月17日~20日,ガイアナのジョージタウンで会合したのに続き,同5月23日~26日マレイシアで準備委員会が開催された。また8月3日から6日まで外相会議開催に先立ち,同会議開催地であるジョージタウンで再度準備委員会が開かれた。

この結果,外相会議は1972年8月8日に開会されたが,冒頭からガンボディア,GRP(南越臨時革命政府)の代表権をめぐって紛糾したため,会期は予定より1日延長され,8月12日共同宣言および共同決議を採択して終了した。

 

2. 非同盟外相会議の問題点

 

 (1) ガンボディアおよびGRP代表権問題

GRPは会議開催前からすでにオブザーバーの地位を与えられていたが,今次会議において正式メンバーの地位を与える問題が提起された。しかしインドネシア,マレイシアなどはパリ和平会談に影響を与えないよう配慮すべきだとの理由でこれに反対した。このため会議第2日目の8月9日にはいったん棚上げとされたものの,11日にいたり今次会議にかぎってGRPに正式メンバーとしての地位を与えることが決定された。

他方,カンボディア代表権問題も同様の経過をたどり,8月11日シハヌーク政権にカンボディア代表の資格が与えられ,カンボディアを空席としたルサカにおける前期首脳会議の決定が変更されることになった。

こうした決定が行なわれた際の決議方法を不満として,インドネシア,マレイシア,スリ・ランカなどのアジア諸国は退場したが,これは非同盟会議からの脱退を意味するものではなく,今次決定に対する抗議であって,これら諸国は今後も非同盟会議のメンバーとして踏み止どまる態度を明らかにしている。

 (2) 次期首脳会議開催問題

次期首脳会議開催地をめぐっては外相会議開催前から,スリ・ランカとアルジェリアが競い合う形になっていたが,最終日の討議でアジアでの開催を主張するアジア諸国が押し切られ,次期首脳会議は1973年9月にアルジェリアで開催されることが決定された。

 (3) 解放運動支援

今度の会議ではアジア,アフリカにおける解放運動支援を強調する傾向が顕著であったが,会議の政治委員会は,解放運動に対する融資,訓練,武装のための常設委員会を設立することを提案し,共同宣言第7項および第8項においてもこの線に沿って努力することが確認された。

 (4) 経済問題

経済問題に関しては,一般的に非同盟諸国の先進国に対する反発が強く,経済委員会で作成された報告書は,非同盟諸国が第一次産品輸出に関する輸出協定を結んだ上,先進国に対抗すべきだと述べている。しかし今度の会議では,具体的な機構の設立までにはいたらず,共同宣言の中でこの点に関する努力を約したに止った。

 

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