航空協定の締結
わが国は、日本航空の南回り欧州線の開設にそなえて、寄航予定地国との問に航空協定を順次締結してきたが、アラブ連合との間の協定が一九六二年五月十日に、また、クウェイトとの間の協定が同年十月六日にそれぞれ署名された。この二協定の署名により、南回り線開設に必要な航空協定締結交渉は完了したことになる。(なお、アラブ連合との協定は一九六三年六月六日、クウェイトとの協定は同年六月二十日にそれぞれ発効した。)
一九五六年十二月十四日にリオ・デ・ジャネイロで署名されたブラジルとの間の航空協定の批准書の交換が一九六二年十月十九日に東京で行なわれ、同協定は同日発効した。
日ソ間の直通航路開設問題については、従来、路線を東京・モスクワ間としようとするわが国の主張と、外国航空機のシベリア上空飛行を認めるのは困難だから、日本の一地点とハバロフスクの間にしようとするソ連側の主張が対立し、この間双方から種々の提案がなされた。この問題の検討のためには、まず、日ソ双方の民間専門家が会合し、航空路開設に関連する技術的諸問題を解明することが必要と認められたため、一九六三年三月下旬日本航空の専門家六名がソ連を訪問した。