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省庁共通公開情報
「APEC・ビジネス・トラベル・カード」制度への参加における省令案等に寄せられた御意見等についての報告


平成15年3月3日


 「APEC・ビジネス・トラベル・カード」を日本に導入し実施するための「アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易等に関する事業に従事する者の商用渡航のための証明カードの交付及びその運用に関する省令」案及び同省令に関する告示案等について、平成15年1月17日から2月7日まで、ホームページ等を通じて御意見等を募集しましたところ、2団体及び3社から合計40件の貴重な御意見・御要望をいただきました。

 いただきました御意見の代表的な御指摘に対する当方の考え方につきまして、下記のとおり回答いたします。

 いただきました御意見につきましては、省令及び告示案の制定・実施、各参加国・地域との今後の話し合いの中で、ABTC制度をよりよい制度としていくための参考とさせていただきます。ご協力ありがとうございました。



●カード発行の対象者(5件)

(御意見)
 カード発行の対象者を、貿易外取引を行う者にも広げて欲しい。例えば、年間100名以上の外国人留学生を受け入れている学校の生活指導担当者は、海外で留学生の選考を行うことも多く、当該カードを保持していればより活発な現地選考を実施できることにつながる。
(学校法人河合塾学園 トライデント外国語専門学校)


(回答)
 ABTCの参加国・地域間で合意されている対象者は、貿易、サービス供給、投資等の取引を行い、域内への渡航回数が多い「真正なビジネスマン」ということになっています。これは物の取引のみならずサービス貿易も含まれています。このことから、交付対象者につきましては、APEC地域において「商談、業務連絡、市場調査、契約締結」等の業務を行うことにより日本の経済発展に資する活動を支援するとの目的に合わせ判断することとなります。なお、申請にあたっては、告示に定める所属機関の貿易額又は投資額等の基準にご留意ください。

(御意見)
 株式会社、有限会社などの法人を念頭に置いているものと推量されるが、個人事業主、あるいはその従業員、財団法人、社団法人等の公益法人の職員について、別途規定することが必要。個人で貿易業を営むケースもある。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 制度実施当初においては、制度の安定的かつ確実な運営を図るために基本的な対象を規定しています。個人事業主、公益法人の職員等への対応にあっては今後検討していきます。

(御意見)
 売上額・投資金額の要件が中小企業に属する者の申請にとって大きな制約となることが懸念される。中小企業・ベンチャー企業にも本制度の恩恵が享受されるよう検討が必要。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 今回の制度実施当初においては、制度の安定的かつ確実な運営を図るための対象を規定しています。貿易及び投資額の基準については、制度の運用状況、各参加国及び地域の状況等を総合的に勘案して、今後の変更も検討していきます。


●提出書類(12件)

(御意見)
 「会社等所属機関の業務を明らかにする書類」、「輸出業務に関する資料」、「投資の金額等に関する書類」等の提出書類について、具体的な例示が必要ではないか。また、提出書類によっては発行からの期間を限定するべきではないか。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 具体的な書類の例示については、省令に基づく規則(実施要領)において明示する予定です。また、発行日についても、その書類が申請人の現状を表していることを必要としていることから、発行日からの期間についても明示する予定です。

(御意見)
 書類が一律に必要と規定されているが、申請者によっては軽減・簡素化措置を設ける等の検討も必要と思われる。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 省令第4条第2項では、「同一機関に所属する複数の者からの申請において同一内容の提出書類等が重複していると認めた場合若しくは他の証明方法によって交付要件に該当することが判断できると認められる場合には、提出書類等の免除を行うことができる。」としており、申請人の所属する機関や申請状況にあわせ申請者負担を軽減するための運用を行う予定です。

(御意見)
 APEC地域内での売上額や投資額の算出は容易ではなく、申請のための書類作成は過度な事務負担となる。直近の決算期の数字とする、また当該地域や加盟国を厳密に既定しない、などの改善が必要。 (日本商工会議所/東京商工会議所)

(回答)
 輸出入に関する売上額や投資額については、該当する直近の決算期の数字(直近の決算書関連部分)及び補足説明としてAPEC域内を対象とした金額の割合を提出していただくこと等を省令に基づく規則(実施要領)に定めるよう検討します。


●カードの有効期限(3件)

(御意見)
 カードの有効期間は3年間、または旅券の有効期間が3年間未満の場合はその旅券の有効期限までとなっているが、旅券の有効期限に関係なく一律3年間とすべきである。海外に頻繁に渡航するビジネスマンにとっては、免許証や旅券など各種更新手続の負担は大きく、カードと旅券の有効期限が同じだと、カードと旅券の更新を同時に行うことになり、更新手続の負担を増大させることになると考える。 (Boston Higashi School)

 ABTCの有効期限を5年間とできないか。パスポートの有効期限が10年間であることを考慮すれば、5年間でも問題はないものと思われる。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 「3年、または旅券が3年未満の場合はその旅券の有効期限まで」というカードの有効期限は、ABTCの参加国・地域間で合意されている期限です。日本も本件制度に参加するにあたっては、この合意内容に従って運用します。利用者の皆様に使い易いものとしていきたく、今後、5年間に延長することについて、他の参加国及び地域と相談していくこととします。


●処理期間(3件)

(御意見)
 事前審査がどの程度時間を要するのか。また、申請から交付までに要する期間を明示するべきではないか。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 各参加国及び地域に対して行う日本が発行したカードの有効性承認に関する照会(事前審査)については、相互に2週間以内に行うものとして合意しています。 また、外務省では申請を受理してから交付までの期間を最長3ヶ月以内とすることとしており、実際にはその期間よりも早く交付ができるように作業を行います。


●更新の手続き(4件)

(御意見)
 有効期間満了の場合の更新手続規程がなく、4条の申請を改めて行う必要があると解釈されるが、有効期間満了の場合の更新(再申請)手続きは簡便措置が検討されるべき。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 更新申請の際の手続きを簡便にすることについては、今後の検討課題として前向きに検討していく予定です。


●交付(4件)

(御意見)
 「出頭」を求めて交付する場合の要件(「外務大臣が適当であると認めた場合」の「適当である」とする要件)を明確化ないし制限列挙すべき。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 交付は、日本全国の対象者を考慮し、全て郵送で交付することを原則にしています。本人が出頭交付を希望する際にはその理由を伺い、「適当」と認めた場合には出頭による交付を行います。

(御意見)
 APEC諸国と日本のビジネス環境を考慮すれば、2,000枚という交付枚数は過小であり、ABTCが意図するビジネス関係者の移動の円滑化というメリットを享受できるのはごく一部に限られてしまう。制度の有効性を高めるためにも、交付枚数の大幅な拡大が必要。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 制度導入当初は安定的な運用を行うため2000枚に限定して交付することとしていますが、今後申請数や運用状況を踏まえて見直しを行うこととしています。

(御意見)
 交付枚数の上限見直しを「1年後」ではなく半年程度とし、翌年、同時期に実施できるよう配慮すべき。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 産業界、経済界等の関係者の方々から、制度改善のために意見を随時拝聴させていただきたいと存じます。予算要求等の作業を進め、翌年に交付枚数の見直し結果を反映できるように努力します。


●参加国又は地域の脱退に関する手続き(1件)

(御意見)
 渡航先国及び地域がABTC制度から脱退した場合(査証が必要とされる国ならば)査証取得が必要な手続きになるものであって、その場合の記載事項変更のためのカードの返納・再発行は名義人の義務とするべきものではない。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 本件はカード名義人の渡航の際の錯誤を防止するために規定したものですので、あくまで任意の手続きです。ご意見を踏まえて最もよいやり方について検討します。


●募集期間(2件)

(御意見)
 申請者は申請の段階で既交付枚数がどの程度になっているかを知る立場にあるか否か不明、かつ、案では申請者は申請後交付までひたすら待つしかない状態に置かれる。申請がなされた時点から一定期間を区切った交付(者)の選定に関する規程が必要ではないか。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 申請は募集期間を定めて行うこととしています。締め切り後に提出書類等の確認を行い、交付該当者を選出し、各参加国及び地域の事前審査の結果を踏まえてカードを最長3ヶ月以内に交付することとなります。なお、募集期間は外務省ウェブサイトや関係機関の協力の下に広報します。


●守秘義務(1件)

(御意見)
 証明書類提出に関して、企業機密保持上の問題が懸念されるため、当該証明の機密保持の担保が必要。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 省令第14条において個人情報の守秘義務を規定しています。なお、個人情報保護のための厳格な対応はABTC参加国及び地域においても合意されている事項です。


●電子申請(1件)

(御意見)
 ABTCの受益者である国民の便宜を図るという目的、また、各省庁で所管している諸事務手続きが電子申請化されている時代の流れを考慮すると、想定されている申請方式は時代の流れに逆行していると思われる。可能なものについては電子申請の採用を検討すべき。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 申請者負担軽減の観点から、現在政府全体において電子申請の導入が積極的に検討されています。外務省におきましても、電子申請の設備が整い次第導入する予定です。


●偽変造対策又はIC化(3件)

(御意見)
 ICカード又はバイオメトリクスをABTCに導入する場合の技術的問題点等を分析した上で、出入国審査に使用する同カードのセキュリティ対策としてIC化することを提言。
(株式会社クライシス)


 クレジットカードの例からも明らかな様に悪意ある者が紛失カードを盗用及び偽造変造する危険性が懸念され、その場合、日本の外交上の信頼を著しく損なう。現在、公共性が高く、高度な情報をカード化する場合、偽造変造が困難なICカード化が望ましい。また、バイオメトリクス機能等を附加することで、高度な盗用対策を検討すべき。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 ABTC制度は事前に渡航者情報を参加国及び地域で共有していることが重要な点です。カードを偽造しても、偽変造カードで入国・域はできません。他方、各参加国及び地域が採用している偽変造対策に加え、日本独自の偽変造対策(査証、旅券に使用される対策と同等のもの)を講じることとしています。なお、IC化又はバイオメトリクスの導入については、今後他の参加国及び地域とも検討の上対応します。


●その他(1件)

(御意見)
 査証が必要な国でも、その取得は時間・費用の面で大きな問題はないと考えられ、比較の問題としてABTC申請の時間・費用的負担が大きければ利用されない。日本のビジネスマンにより優位なサービスを提供するという観点に立って基準・手続を考えるべき。
(日本商工会議所/東京商工会議所)


(回答)
 査証とABTCの二つの制度のうち、より好都合な制度を選んでいただくことに意味があると考えます。ABTC制度の改善等については、今後とも産業界、経済界等の関係各位から継続的にご意見を拝聴し、有益で効果的な制度とするよう努力していきます。


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