1.外務省令案 外務省設置法(平成十一年法律第九十四号)第四条第八号及び第十二号の規定に基づき、アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易等に関する事業に従事する者の商用渡航のための証明カードの交付及びその運用に関する省令を次のように定める。 平成 年 月 日 外務大臣 川口 順子 アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易等に関する事業に従事する者の商用渡航のための証明カードの交付及びその運用に関する省令 (目的) 第一条 アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用される貿易等に関する事業に従事する者に対する商用渡航のための証明カード(以下「商用渡航カード」という。)の日本国民に対する交付及びその運用に関連する業務の実施に関し必要な事項を定めるものとする。 (定義) 第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。 一 商用渡航カード アジア太平洋経済協力の参加国及び地域のうち、アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易等に関する事業に従事する者の商用渡航のための証明カード制度に参加した国及び地域(以下「参加国等」という。)においてのみ効力を有するものであって、有効な日本国旅券を有し、アジア太平洋地域において貿易に関する活動及び投資に関する活動に従事する者に対して交付される証明書 二 貿易等に関する事業 参加国等において短期間行われる貿易及び投資に関する商談、業務連絡、市場調査、契約締結若しくは納品後の役務又はこれらに関連する事業 三 事前審査 外務大臣が交付する商用渡航カードの有効性を参加国等に事前に照会することにより、参加国等が同カードの国内又は域内における有効性について、当該参加国等の国内法令に基づいて行う審査 四 基本電子情報 前号の事前審査に関し、我が国から参加国等に送付する商用渡航カード交付対象者又は所持者に関する情報及び参加国等から電子情報によって送付される同カード交付対象者又は所持者に関する情報として電子的に記録されているもの (要件) 第三条 外務大臣は、次の各号に掲げるすべてに該当する日本国民に対し、商用渡航カードを交付することができる。 一 有効な日本国旅券を所持していること。 二 申請に係る参加国等において行おうとする事業が虚偽のものでなく、かつ、本邦における事業が虚偽のものでないこと。 三 旅券法第十三条第一項第二号及び第三号に該当しない者であること。 四 交付申請書及び添付書類に虚偽の記載がないこと。 五 前号に掲げるもののほか、外務大臣が告示で定める事項に該当していること。 (申請の書類) 第四条 本邦の商用渡航カードの交付を受けようとする者は、次に掲げる書類及び写真を、郵送又は直接外務省に出頭により、外務大臣に提出して申請しなければならない。 一 商用渡航カード交付申請書 二 申請者の写真一葉 三 申請者が所持する有効な旅券の写し 四 雇用契約書の写し若しくは在職証明書 五 商業・法人登記簿謄本の写し、決算書又は損益計算書の関係部分の写し、会社等所属機関の業務を明らかにする資料、輸出業務に関する資料の写し、申請者が投資を行っている場合は、当該投資の金額等に関する書類の写し 六 その他参考となる資料を有する者にあっては、その資料 2 外務大臣は、前項各号の書類によっては交付要件に該当することが判断できない場合には、資料の追加を申請者に求めることができる。また、前項五号の書類について同一機関に所属する複数の者からの申請において同一内容の提出書類等が重複していると認めた場合若しくは他の証明方法によって交付要件に該当することが判断できると認められる場合には、提出書類等の免除を行うことができる。 3 第九条及び第十一条の規定により申請を行う場合は、申請者が所属する会社又は団体との関係に関する事項に変更がない場合に限り、第一項第二号から第六号までの書類及び写真の提出を要しない。 (参加国等に対する事前審査照会) 第五条 外務大臣は、申請者が前条の要件を満たし、交付が適当であると判断した場合には、参加国等に対して当該申請人の基本電子情報を送付し、参加国等における商用渡航のための証明カードの有効性に係る事前審査の照会を行うことができる。 (交付及び有効期限) 第六条 前条の規定により商用渡航のための証明カードの有効性が承認された者は、その有効性の承認を行ったすべての参加国等を渡航先として記載した商用渡航カードの交付を受けることができる。 2 前項の商用渡航カードの有効期限は三年とする。ただし、外務大臣は、申請者の旅券の有効期間が三年未満である場合は、当該旅券の有効期限をもって商用渡航カードの有効期限と同じ期間とすることができる。 (記載事項) 第七条 商用渡航カードは、別記様式第○号による。 2 前項の商用渡航カードは、次に掲げる事項を記載するものとする。 一 交付番号、有効期間満了の日、交付年月日 二 商用渡航カードの名義人の氏名、性別、国籍及び生年月日 三 名義人の旅券番号 四 渡航先 五 前四号に掲げるもののほか、別記様式第○号に定める事項 (交付) 第八条 外務大臣は、第六条の規定により当該商用渡航カードの交付を申請した者に対して交付する場合には、郵送により行うものとする。 2 前項の規定にかかわらず、外務大臣が適当であると認める場合には、当該商用渡航カードの交付を申請した者の出頭を求めて交付することができる。 (渡航先の追加又は削除) 第九条 我が国が交付した商用渡航カードの名義人(以下第十一条までにおいて「名義人」という。)は、参加国等に新規に参加する国又は地域があった場合であって、当該新規参加国等を渡航先として追加しようとするときには、当該商用渡航カードを外務大臣に返納した上で、第三条の申請を行わなければならない。 2 名義人は、参加国等の脱退その他の特別の事情が生じた場合であって、渡航先に記載されている当該脱退国等の記載を削除しようとするときには、当該商用渡航カードを返納した上で、第三条の申請を行わなければならない。 (変更又は訂正) 第十条 名義人は、当該カードの氏名等記載事項に変更が生じた場合には、遅滞なく、当該商用渡航カードを外務大臣に返納した上で、第三条の申請を行うものとする。 2 外務大臣は、商用渡航カードの記載事項に変更が生じ、又は誤りがあることを知った場合において、特に必要があると認められるときは、職権により、名義人に対し、当該商用渡航カードを返納させた上で、新たに交付することができる。 (紛失等) 第十一条 名義人は、当該商用渡航カードを紛失し又は焼失し若しくは著しく毀損した場合には、遅滞なく外務大臣にその旨を届け出なければならない。届出の後に当該商用渡航カードを発見した場合にも、同様とする。 2 前項の規定により、紛失又は焼失を事由として届け出た者であって、新規の交付を希望するものは、第三条の申請を行わなければならない。 3 第一項の規定により、著しい毀損を事由として届け出た者であって、新規の交付を希望するものは、当該商用渡航カードを返納の上、第三条の申請を行わなければならない。 4 名義人は、本邦以外の地において、商用渡航カードを紛失し又は焼失し若しくは著しく毀損した場合には、遅滞なく最寄りの在外公館を通じ又は帰国後遅滞なく外務大臣に届け出なければならない。ただし、前二項及び三項の規定により交付の申請を行う場合にあっては、名義人が帰国後又は申請者が現に所属する会社等の機関の職員若しくは申請者が指定する本邦に居住する親族が、本邦において申請を行わなければならない。 (失効) 第十二条 商用渡航カードは、次のいずれかに該当する場合には、その効力を失う。 一 商用渡航カードの名義人が死亡し、又は日本国籍を失ったとき。 二 商用渡航カードの交付を申請した者が、当該商用渡航カードの交付(再交付を含む。)の日から六月以内に受領しないとき。 三 商用渡航カードの有効期間が満了したとき。 四 第九条及び第十条第一項により返納されたとき。 五 第十一条第一項及び第四項により紛失等の届出が行われたとき。 六 参加国政府等から我が国交付の商用渡航カードの失効が通知されたとき。 七 次条の規定により返納されたとき又は返納期限を越えたとき。 2 外務大臣は、前項の規定により商用渡航カードが失効した場合には、当該商用渡航カードの名義人に対してその旨を通知するとともに、参加国等に対して当該商用渡航カードの失効を通報しなければならない。 (返納) 第十三条 外務大臣は、次に掲げる場合において商用渡航カードを返納させる必要があると認めるときは、当該商用渡航カードの名義人又はその所属する機関に対して、期限を付して、返納を命ずることができる。 一 当該商用渡航カードの交付を受けた後に、商用渡航カードの名義人が第四条各号に定める要件を欠くに至ったと認めた場合 二 当該商用渡航カードの交付を受けた後に、商用渡航カードの名義人が同条各号に定める要件に該当していないことが判明した場合 (個人情報の保護義務) 第十四条 商用渡航カードの交付申請に係る個人情報を取り扱う場合は、商用渡航カードに係る目的についてのみ、当該個人情報を利用しなければならない。 (手数料の額及び納付の方法) 第十五条 本邦において第三条及び第九条から第十一条までの申請をしようとする者は、外務大臣が告示で定める手数料の額を国に納付しなければならない。 2 前項の手数料は、当該手数料の額に相当する収入印紙により納付しなければならない。 (交付枚数の上限) 第十六条 商用渡航カード制度の円滑な運営及び参加国等との制度に関する安定的な運用を行うため、我が国が交付する商用渡航カードの交付枚数は、当分の間、外務大臣が告示で定める上限を超えないものとする。 (交付者の選定) 第十七条 外務大臣は、交付に該当する者の数が交付枚数を超える場合においては、抽選その他公正な方法により交付者を選定しなければならない。 附則 (施行期日) この省令は、平成十五年四月 日から施行する。 2.外務大臣告示案 外務省設置法(平成十一年法律第九十四号)第四条第八号及び第十二号の規定に基づき、アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易等に関する事業に従事する者の商用渡航のための証明カードの交付及びその運用に関する省令(平成 年外務省令第 号)第四条、第十二条第一項、第十三条、第十五条及び第十六条の規定に基づき、次のように告示する。 平成 年 月 日 外務大臣 川口 順子 アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易等に関する事業に従事する者の商用渡航のための証明カードの交付及びその運用に関する省令の交付要件等を定める件 第一条 この告示で用いる用語は、他に定めるもののほか、アジア太平洋経済協力の枠組みにおいて運用されている貿易その他の事業に従事する者の商用渡航のための証明カードに関する交付規則(以下「省令」という。)に定めるものとする。 第二条 省令第四条第五号に規定する事項は、申請者の地位又は申請者が行う活動に関する要件として次に掲げるものとする。 一 アジア太平洋経済協力ビジネス諮問委員会の日本委員、日本委員代理又は日本委員を補佐する業務に従事する者 二 アジア太平洋経済協力域内の参加国及び地域において過去一年間に行われた貿易に関する売上額が一億円以上若しくは過去の累積の投資額が五千万円以上の実績を有する機関の経営者又は当該機関に雇用された者で、貿易等に関する事業を行うことを目的として当該参加国等に渡航し、今後も同様の渡航が必要であると認められる者 2 前項の規定にかかわらず、申請者の参加国等への渡航の目的が参加国等の機関に雇用されて就労し収入及び報酬を受ける活動又は雇用を希望する活動である場合は、交付しない。 3 第一項の規定にかかわらず、申請者の主たる業務が職業運転手、報道特派員、芸能人、音楽家、芸術家又はその他類似する職業に従事する者である場合には、交付しない。 第三条 省令第十二条第一項及び第十三条に該当する事情が生じた時又は事情が生じたことを知った時は、当該商用渡航カードの名義人又は同名義人の同居の親族若しくは所属する機関は、遅滞なく外務大臣に通報しなければならない。 第四条 省令第十五条第一項に規定する手数料の額は、○○○○円とする。 第五条 省令第十六条に規定する上限は、二千枚とする。 2 外務大臣は、商用渡航カードの運用開始の日から一年を経過した時点で、前項の交付枚数の上限の見直しを行うことができる。 3.旅券法第13条第1項 第2号 死刑、無期若しくは長期2年以上の刑に当たる罪につき訴追されている者又はこれらの罪を犯した疑いにより逮捕状、拘引状、拘留状若しくは鑑定留置状が発せられている旨が関係機関から外務大臣に通報されている者 第3号 禁固以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又は執行を受けることがなくなるまでの者