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外務省独立行政法人評価委員会の活動は、対象である二つの独立行政法人の組織的効率の評価を行うことが大事だと思うが、その独立行政法人の行う事業のアウトカムが外交政策、外務省の政策にどれだけ貢献するのか或いはどういう意義を持つのかということも議論すべきではないか。 |
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この評価委員会は、外務省のもっている外交政策の視点で各独法の組織活動をチェックして頂くということである。政策を達成するのにどれだけ効率的に動いているのか、それを考えて頂ければ宜しいのではないかと考えている。 |
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効率だけで評価するとその政策意義は評価できない部分が出てくるという懸念がある。仮に、効率的にできなくとも、他にどこもやらないからやらなければならないという業務はあるわけで、その判断を評価委員会が配慮しないと全部市場に任せればいいという話になるのではないかと思っている。 |
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二つの独法に関しては、市場に任せるという代替性がないので、その議論が飛んでしまう。日本の外交目標を達成するために、この独法の業務活動がうまく動いているのかどうか、そういう視点でチェックいただくことになろうかと思われる。 |
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国際交流基金は、設立の経緯からして、外務省が直に指示しないほうが外交のために宜しいということで作った面があり、いわば政策目標というかマンデートが「Be Creative」ということであったが、個々の事業には効率性に問題がある場合もあり得ることから、効率面の評価だけでは十分でないこともある。 |
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国際協力機構に対しては、外務省は、個別の案件の選定を行うので、政策目標を、中期目標なり中期計画なりにトランスレートする必要はない組織ではないか。他方、国際交流基金の方は、国際協力機構と異なり、中期目標、計画を書き込む余地が大きく、どこまで書くのかにつき検討の余地があろう。 |
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独立行政法人評価に携わる人の中には、独立行政法人がある程度自由に何でもできると考える方もいるし、他方、そうではなく、厳格なコントロールの中で活動してもらうべきという方もいる。独立行政法人は、中央官庁が箸の上げ下ろしまで口を出すということから解放したほうがいいのではないかという話が一方であり、他方で、今まで特殊法人時代にドンブリ勘定でやっていた状態を改善し、会計から始まって組織、人事等もう少しきちんと対応すべきであるという意見もある。両者は同じ話を別の側面から語っているという面があるが、その辺りの微妙なニュアンスのところをご理解いただきながら、評価の仕組みを構築して頂くということが必要ではないかと考えている。いずれにしても、外務省の二法人は他の法人に比し特殊との印象を持っている。 |
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国際協力機構は、大きな予算を有しており、日本の国際的な立場に関わる機関なので、多元的な評価が必要だと考える。マスコミや世論の関心も非常に大きい。市民による評価まで含めて、評価の多元的な主体がある中で、独立行政法人評価委員会というのは、効率性が一つの焦点になるのだろうと理解した。他方、独立行政法人評価委員会はそれ以外のところも場合によってはいろいろ目配りする必要があるのではないか。中期目標・中期計画の捉え方について、御意見なりお考えがあれば伺いたい。 |
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国際協力機構の中期目標・中期計画というのは、いかにマネジメントしていくかという経営の目標・計画に近いのかなというイメージがある。 |
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今回の独法化で、外務省のほうで関与の部分が狭まり、逆に守備範囲として国際協力機構の方が少し広がるとのイメージがあるが、どうか。また、評価の中に、事業の質というものは入っているのか。 |
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特殊法人の際は、外務省が法人の活動にロープをつけてずっと握っていたような状態であった。今度は一定の範囲で柵を設け、この中で自由に動いていろいろな所でイニシアチブを発揮してくれとこういう理解ではないか。しかし、現実には今までそのロープを握っていた外務省がどこに連れていくのかはいろいろ議論があるが、いずれにせよある程度の自由に動ける範囲が国際協力機構の方はあって、外務省としてもいつも手綱だとかロープを持って常にコントロールする必要はなくなるということでご理解いただければ良いのではないか。また、独立行政法人制度においては、効率だけではなく、質も重要なポイントとなる。 |