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海外移住審議会第73回総会概要


1.日 時: 平成11年10月6日(水)14:30ー16:30

2.場 所: 外務省892号会議室

3.出席者: (審議会委員)
佐野宏哉会長
青木怜子、阿藤誠、飯野正子、歌田勝弘、内田和、海野研一、枝村純郎、大石芳野、賀陽治憲、川村皓章、小谷善四郎、佐藤誠三郎、永井浩、中村啓三、古橋源六郎、三角哲生、山田勝久の各委員

(事務局)
外務省
今井領事移住部長、加藤領事移住部参事官、福川領事移住政策課長、宇喜多文化第二課長、大部技術協力課長、大村領事移住政策課企画官、四之宮中南米第一課地域調整官


4.議 題: 「21世紀の日系人政策」

5.会議経過

(1)今井領事移住部長より、本審議会は、中央省庁等改革基本法により2001年から名称を変更してより広範な事項を検討する新たな審議会に実質的に発展的改組される予定である旨、また、事務局としては海外移住審議会の最後の締めくくりの議題として「21世紀の日系人政策」につき審議願いたい旨述べた。続いて配布資料の概要につき、福川領事移住政策課長より説明。その後、委員側より、別紙の通りの諸意見が述べられた。

(2)最後に、会長より、今後は数名からなる小委員会を設け、意見書案を纏めていくこととしたい旨提案があり、右は全会一致で承認され、小委員会の構成についても会長に一任されることとなった。






海外移住審議会第73回総会
【委員の主要意見(要旨)】

1.議題について

 事務局提案の「21世紀の日系人政策」の内容は、移住政策から日系人政策へという大きな政策転換の必要性を含むものであり、また、世界に広がる日系人ネットワークをいかに育て支援していくかという観点からの政策を考えるべき時が来ているという考え方に基本的に賛成である。

2.日系人政策について

(1)日系人政策を進めるための理念、必要性、優先性、有効性を明確にする必要がある。日本の国際社会におけるあり方、21世紀における外交政策といった大きな観点からの考え方の整理が必要。政府と民間の役割、ネットワーク造りといった方法論の面での議論も必要である。

(2)移住政策の延長としての日系人支援から、新たな日系人政策へ切り換えていくからには、各国の移住政策をも勘案しつつ対外的な影響等についても考えていく必要があるが、実質的に日系人政策というものを実行していくべき時期にあるということは理解できる。

(3)日系3世までというこれまでの基本的な枠を取り外し、4世以降についても検討することは意義があろうが、他方日系人そのもののクリアーな定義が果たして可能かといった問題もある。更には、地域差を考慮し、どこの地域の日系人に特に支援が必要かということについても十分考慮していく必要があるのではないか。

(4)南北アメリカとは全く違った地域における日系人政策をどうやって位置付け開発するかという課題に取り組まなければ、平成5年の報告書から次の課題へという発展がないのではないか。

(5)日系人の方からの我が国への期待と我々が日系人にどうあって欲しいのかという期待の有無を把握し、FacilitiesとResourcesをリストアップし、有機的に結びつけるといった作業によって具体性がでてくるかもしれない。医療部門で海外邦人のために協力してもらえる日系人医師を育てるというアイディアもあり得る。

(6)南北アメリカ、カナダでは日系人の意識が変わりつつあり、日本を向いている。日本も日系人の方を向く必要がある。パイプの一つとして、いい意味で日系人を活用していくべきである。

(7)日系人ネットワークを育成するにはそれなりのメリットが必要であり、メリットとなりうるものとしては、ビジネス・貿易チャンスの場、情報収集ネットなりの形を考えることが一案であろう。

(8)21世紀の前半、多民族社会の時代を迎えようとしている中で「血を分けた同胞」等、過剰に民族ネットワークを強調するという考えが果たして妥当なのか、そうではなくなるべく能力と資格に応じた受入等普遍的な基準での対応が望ましいか等の議論も必要である。

3.日系人とアイデンティティについて

(1)国際社会の中で良き市民として定着してもらってこそ日系人は外交的資産となる。定着度が深まるに連れて各人のアイデンティティが外交的アセットの重要な要素の一つとなる。

(2) 21世紀の世界を予見した新しいアイデンティティとしての日系人を考えるべきである。
今後グローバリゼーションが進む中、その傾向が進めば進むほどカルチャーアイデンティティを求める力も強まっていくことが予想される。

(3)日本国籍を保持するか否かとは別の次元での日本人としてのアイデンティティの維持について考えるといっても、制度的な制約もあるのではないか。

(4)海外の在留邦人社会と日系人社会の間の意識ギャップを解消するため、日系人の歴史や問題点を正しく理解させるような官民協力が必要ではないか。

4.今後の移住者援護事業について

 移住事業のアフターケアーは引き続き必要であろうが、西欧諸国の例をも参照しつつ、高齢者対策や医療支援といった生活扶助的なものを実施していくことの可能性、帰国支援、移住融資をいつまでやるのか制度の見直しといった点についても検討すべき時期にある。我が国の国際社会における積極的貢献といった見地からの検討が必要である。

5.日本語について

 活用されるべき日系人が今以上に実力を付けることが必要であり、研修、留学の機会を拡充することが必要。従って日本語教育については、きちんとした対応が必要であり、日系人政策の中でも中心となるのが日本語教育支援と日本への留学の機会の提供であろう。
 また、日本語教師が日本人に限られているということが問題である。我が国には外国人に日本語を教える学科は皆無の状況にあり、その拡充が必要。各国で自国の人が日本語の先生になって教えることが望まれる。



目次


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