「第19回外交記録公開」について
平成17年2月25日
- 外務省では、昭和51年(1976年)以来、30年を経過した戦後外交記録を審査の上、これまで18回にわたって公開を行ってきましたが、このほど(平成17年2月25日(金)に)第19回外交記録公開を行いました。
従来と同じく、外交史料館(港区麻布台1-5-3、電話:03-3585-4511)において行いますが、実際に公開文書を閲覧する方の利便性に配慮して、前回に引き続きCD-R(電子画像)により閲覧出来るようにしました。
- 今回公開された外交記録は、合計192冊で、ページ数にしておよそ9万6,000頁(1冊平均500頁と仮定)です。CD-Rでは、26枚になります。
今回公開する記録には、昭和20年代後半から50年代初頭(1951~1976年)にかけての下記(1)~(12)の範疇に属する記録が含まれています。
(1)日本の二国間外交関係(7冊)
昭和41(1966)年から同43(1968)年の間に開催された第1回から第3回までの日印定期協議に関する記録(3冊)の他、昭和29(1954)年から同49(1974)年までの20年間にわたる日米諸要人間の会談録、寄稿論文、新聞論調等を収録した「日米外交関係雑集」4冊が含まれています。
(2)本邦要人の諸外国訪問関係(46冊)。
ここでは、昭和47(1972)年8月31日から9月1日の期間にハワイで開催された日米首脳(田中・ニクソン)会談に係わる関する田中総理訪米関係(1972.8、ハワイ会談)の記録(8冊)をはじめ、池田総理東南アジア・大洋州諸国訪問関係(1963.9)、佐藤総理東南アジア訪問(1967.9~10)、田中総理東南アジア訪問(1974.1)、佐藤総理訪米(1967.11)、大平外相訪米(1974.5)、木村外相アフリカ訪問(1974.10)等の記録が公開されました。
(3)諸外国要人の本邦訪問関係(5冊)
この中には、ラープ・オーストリア首相(昭和34(1959)年1月)、チトー・ユーゴスラヴィア大統領(昭和43(1968)年4月)及びアユーブ・カーン・パキスタン大統領(昭和35(1960)年12月)の訪日に関して、以前公開された記録の続きの部分が公開されています。
(4)諸外国の領土関係、境界関係(4冊)
ここには、昭和26(1951)年から同40(1965)年の間のモロッコ領土問題、エジプト・スーダン国境紛争、ペルー・エクアドル国境紛争関係の記録、計4冊が含まれています。
(5)国際紛争・戦争関係(6冊)
ここでは、昭和20(1945)年から同42(1967)年の間のコンゴー動乱関係の記録(5冊)及び第二次世界大戦の俘虜銘々票関係の記録(1冊)が公開されました。
なお、コンゴー動乱関係では、昭和35(1960)年7月の同国独立後1週間も経たぬうちに勃発した暴動事件に関連した昭和34(1959)年から同42(1967)年までの各種記録が含まれています。
(6)賠償関係(49冊)
第15回以降の外交記録公開に引き続き、今回も賠償関係の記録が公開されました。今回は、昭和27(1952)年1月の予備的交渉から、昭和31年(1956)年7月に東京で批准書の交換が行われ、賠償協定等が発効するまでの一連の日・フィリピン賠償交渉関係記録(35冊)の他、昭和20(1945)年から同37(1962)年の間の日・タイ特別円問題解決協定関係の記録(5冊)、オランダ国民のある種の私的請求権解決関係の記録(9冊)が含まれています。
(7)二国間条約、協定、会議関係(17冊)
この中には、昭和29(1954)年から同44(1969)年の間の日英原子力一般協定関係の記録(9冊)及び日本・カンボディア経済技術協力協定関係の記録(8冊)が含まれています。
(8)多数国間政治関係(15冊)
ここでは、昭和22(1946)年から同51(1976)年の間の米州機構(O.A.S.)関係(8冊)、アジア・アフリカ人民連帯会議関係(3冊)、東南アジア連合(A.S.A.)(3冊)及びASEAN関係(1冊)の記録が公開されました。
(9)多数国間産業関係(22冊)
第17回及び第18回公開に引き続き、「国際捕鯨取締条約」関係の記録(3冊)が公開されました。昭和32(1957)年から同46(1971)年の間の国際捕鯨取締条約・南氷洋捕鯨国際監視員制度協定関係の記録が含まれています。
(注)今回の記録は、第8回(わが国加盟関係など7冊)、第17回(35冊)及び第18回(16冊)の各公開により公開済みのファイル58冊に続き公開するもので、今回の公開により関係ファイル全61冊が全て公開されました。
その他、東南アジア農業開発会議関係ファイル(19冊)も公開されました。これは、昭和41(1966)年4月開催の東南アジア開発閣僚会議で提唱され、同年12月6日から8日に東京において開催された東南アジア農業開発会議(9カ国より、次官レベルが出席)に関する記録です。
(10)原子力軍事利用関係(4冊)
昭和35(1960)年から同44(1969)年の期間に収録した中共の第1回核実験(昭和39年)から第10回核実験(昭和44年)及び核開発に関する各種観測記事、報告、調査等に関する記録が含まれています。
(11)本邦対外経済関係(11冊)
昭和26(1951)年から同42(1967)年の間のわが国とカンボディアとの間の経済技術協力に関する記録(2冊)をはじめ、対米加・対南米貿易使節団等(6冊)、ブラジル及びドミニカ近海魚場開発調査関係(2冊)、対米国経済関係(1冊)に関する記録が公開されました。
(12)国際経済関係(6冊)
昭和36(1961)年から同38(1963)年の間の「関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」関係ファイルのうち、わが国の28条4項交渉関係(4冊)及び1962年米国関税法改正に伴う28条4項交渉(2冊)が公開されました。
- 公開された各案件の件名、冊数等については、「公開案件一覧」をご参照ください。
なお、これまでに公開された記録についても、あわせて外交史料館において閲覧できます。
因みに第1回(昭和51年)から前回(第18回)までに公開された記録は、計11,518冊、また今回の公開分を合わせると、総冊数は11,710冊となります。
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