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日マレーシア関係(マレーシア日本国際工科大学、経済連携等)
マレーシア側より、アブドゥラ政権においても日本は引き続き重要な国であり、東方政策を重視する旨述べ、日本経済の回復に対する期待が表明された。マレーシア日本国際工科大学(MJIUT)について、田中政務官より、ASEANにおける人材育成の拠点となることを期待している旨発言。同大学の設立に向け、引き続き双方が努力することで一致した。その他、現在交渉中の経済連携協定交渉(EPA)等についても意見交換が行われた。
(注1)マレーシア日本国際工科大学(MJIUT):マレーシアに日本型の大学を設立し、日本の価値観、労働倫理、文化的環境の中でマレーシア人を始めASEANの学生を教育するという構想。大学には工学部(電子工学、機械工学)及び経営学部を設置し、2005年6月より学生を受け入れる予定。
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BIMP―EAGA
田中政務官より、BIMP―EAGAに対し今後我が国として積極的に協力する用意がある旨発言。マレーシア側より、日本からの投資・観光の促進に期待している旨言及があった。
(注2)BIMP―EAGA(ビンプ・東アセアン成長地域):ボルネオ島(マレーシア、ブルネイ、インドネシア)、ミンダナオ島(フィリピン)、スラヴェシ島(インドネシア)を始めとする辺境地域を対象4ヶ国共同で開発する構想。対象国であるブルネイ(B)、インドネシア(I)、マレーシア(M)、フィリピン(P)の頭文字をとってビンプと呼ばれている。
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その他
上記以外にも海賊対策、テロ対策、不拡散、国連関係等について意見交換が行われた。
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コタキナバル訪問
30日よりBIMP―EAGAの主要都市の一つであるコタキナバルを訪問。生物多様性の技術協力プログラム(注3)を視察し、経済協力関係者との懇談を行った他、コタキナバル工業団地の視察等を行った。
(注3)ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム(BBEC)
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ボルネオ島に位置するサバ州には、東南アジア最高峰のキナバル山(4,095m)やアジアゾウの生息する低地熱帯林等、多様な自然が残っているが、熱帯林はプランテーション開発や伐採活動により急速に減少している。サバ州経済は森林資源に依存しており、資源の保全及び有効活用は州経済にとっても重要な課題となっている。
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マレーシア全体の残存森林面積率は63%であるのに対しサバ州は51%であり、また、日本の自然公園面積率(14.1%)や世界の保護区面積率(8.8%)と比較してもサバ州の保護区(国立公園と野生生物保護区)の面積率は5.2%と低水準にとどまっており、マレーシアにおける絶滅危惧種が多い原因となっている。
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このような背景を踏まえ、我が国技術協力によりサバ州の自然環境保全活動の体制・手法整備と人材育成を行っている。
→詳細はhttp://bbec.sabah.gov.my/japanese/
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