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外務本省

丸谷外務大臣政務官の中東諸国訪問
(概要と評価)

平成13年8月27日

1.位置付け

 河野外相(1月)、衛藤副大臣(3月)、平沼経産相(7月)に続く、日本から湾岸諸国へのハイレベルの訪問。各国で日本要人の訪問への期待感が高い中、二国間関係の更なる促進を図ることを目的とした。具体的には、重層的な関係の構築を一層進めるべく、女性間知的交流を含む幅広い分野での二国間関係強化を図ると共に、地域情勢に関する協議を行い、中東和平問題等に関する日本の立場を伝えた。

2.日程

期 間;8月11~24日
訪問国;イエメン、サウジアラビア、オマーン、バーレーン、イラン

3.会談・表敬等

 いずれの国でもハイレベルの要人との会談・表敬(イエメンでは大統領、バーレーンでは皇太子、イランでは外相との会談・表敬が実現)が行われた。

イエメン   サーレハ大統領、バージャンマール首相、アル・カルビー外相、タルムーム計画開発副大臣等
サウジアラビア マダニ外務副大臣、ジャウハラ女子教育庁次官、シャター諮問評議会副議長、サッターム・リヤド州副知事等
オマーン ハリーリ農漁業相、ハイサム外務省事務総長、ラワーヒー国家評議会副議長、カムヤーニー諮問議会副議長
バーレーン サルマン皇太子兼首相代行、ムハンマド外相、サーレハ商業・工業相、フマイダン諮問評議会議長等
イラン ハラズィ外相、エブテカール副大統領兼環境庁長官、ショジャーイー女性問題担当大統領顧問、アミンザーデ外務次官、ラフマーニー・ハリリ日・イラン友好議連会長、モハジェラニ文明間対話国際センター所長等

4.評価

(1) 全体
 2001年1月の河野大臣(当時)の湾岸諸国(カタル、ア首連、クウェイト、サウディ)訪問、3月の衛藤外務副大臣のオマーン、バーレーン訪問、7月の平沼経済産業大臣湾岸訪問(サウディ、クウェイト、ア首連、イラン)に続き、日本からのハイレベル要人の訪問となる今次訪問は、日本が湾岸諸国(含イラン)との関係を重視しているとの姿勢を強く打ち出すものとなった。また、河野大臣湾岸諸国訪問時に打ち出した、イスラム諸国(特に湾岸諸国)の関係を原油の輸出入だけでなく、重層的なものとするための「イスラム世界との文明対話」の促進、水資源開発、幅の広い政策対話の促進といった三分野からなる「湾岸諸国との重層的な関係に向けた新構想」のフォローアップ状況を各国に印象づけることが出来た。
 また、各国要人との間では昨年9月以来、イスラエル・パレスチナ間の衝突が継続し、危機に直面する中東和平問題をはじめとして、幅広いテーマについて協議を行い、主要なテーマに関する日本の明確なメッセージを伝えた。また、近年、女性の社会進出が進む湾岸諸国で活躍する女性要人との間で積極的な対話を行い、今後の女性間知的交流への道筋をつけることが出来た。

(2) イエメン
 90年の南北統一後、イエメン側より大統領、首相等要人が訪日している一方、わが国よりは昨年の統一10周年記念式典への特使派遣のみであったため、今次訪問は実質上初のわが国政府要人の訪問としてイエメン側より歓迎され、要人往来のアンバランス是正に貢献した。大統領、首相、外相との会談では、イエメンの民主化・経済構造調整努力の評価、それに対する日本支援の継続の表明が先方より歓迎されるともに、国際社会における日本の重要な地位及び果たしている役割に対する評価及び支持が表明され、これまでの良好な二国間関係の更なる強化が確認された。計画開発副大臣とは日本の経済協力方針につき実質的な協議を行った。

(3) サウジアラビア
 2001年1月の河野大臣(当時)、7月の平沼経済産業大臣に続く日本政府要人の訪問となり、二国間の幅広い政策対話の着実な推進に大きく貢献した。マダニ外務副大臣との会談では、二国間の懸案事項等について意見交換を行うと共に、中東和平プロセスの現状への懸念と日本の積極的関与につき説明し日本からの明確なメッセージを伝達する等、相互理解の進展に大きく貢献した。諮問評議会議員との会談では、先方より日本のサウディへの投資の増加及びサウディ留学生に引き受け増を期待する声があった。また、男性側との交流が認められない女性団体、関係者との接触を積極的に実施し、社会観、職業観等につき意見交換を行うと共に、両国の女性間の相互交流の端緒を開いた。

(4) オマーン
 3月の衛藤副大臣(当時)以来の要人訪問で、オマーン側の期待感も高く、滞在の大半が休日だったにもかかわらず、多くの要人との会談が成立した。
 ハリーリ農漁業相との会談では、先方より日本の農業、漁業分野における支援に対する謝意が表明された。また、ハイサム外務事務総長との会談では、中東和平問題等、地域情勢について意見交換し相互理解の進展がなされた。カムヤーニ諮問議会副議長、ラワーヒー国家評議会副議長との会談では、湾岸諸国初の女性議員が誕生した両議会を湾岸地域のモデルケースとし、オマーンが積極的に取り進める女性の社会進出、民主化への評価の表明が先方より歓迎された。また、先方よりは今次丸谷政務官の訪問により、両国間の議会交流の進展への期待が表明された。

(5) バーレーン
 2月のムハンマド外相訪日、3月の衛藤副大臣(当時)と、2001年に入り、相互訪問が盛んとなっており、今次訪問もこの流れの中に位置付けることが出来る。
 サルマン皇太子兼首相代行との会談では、同皇太子より日本に対する強い関心が示され、また、当方より日・バーレーン女性ネットワークの提案を行うなど、率直な意見交換が行われた。ムハンマド外相との会談では中東和平等に関し意見交換を行った。フマイダン諮問評議会議長との会談では、バーレーン国の民主化の進展、議員交流等につき意見交換が行われた。いずれの会談においても、「湾岸諸国との重層的な関係に向けた新構想」に関する意見交換が行われ、今後バーレーンにて行われる予定の知識人ネットワークセミナー、水資源セミナー等につき大きな布石を打つことができた。

(6) イラン
 2000年10月末のハタミ大統領訪日以降、2001年7月の平沼経済産業大臣訪問及び政府派遣経済使節団訪問等両国関係が一層緊密化する中で、イラン側は日本からの初の女性要人の来訪を大歓迎し、訪問時期がちょうど内閣閣僚信任投票と重なっていたにも拘わらず、外務大臣や副大統領(環境庁長官)等多数の要人との会見が実現した。会談を通じ、ハタミ大統領による改革路線への支持表明をはじめ、政治対話の継続、議員・女性交流の活発化、経済関係拡大、文明間の対話促進、京都議定書発効へ向けての協力、干魃支援、女性の社会参加支援等幅広い内容について有意義な意見交換を行うことができた。
 特に、イラン女性指導者との各会見においては、政務官より日・イラン女性交流促進のための友好協会乃至連絡協議会の設置を提案し(先方は歓迎の意を表明)、両国女性交流に端緒を開いた。
 また、ハラズィ外務大臣に対してはCTBT早期批准を要請する田中大臣発書簡を手交し、アミンザーデ外務次官に対しては中東和平・人権・テロ・大量破壊兵器開発についてのイラン側の一層前向きな取組への期待を表明し、これらの分野を巡ってもイラン側と率直な意見交換を行うことができた。

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