荒木副大臣の第57回国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)総会出席
(結果概要)
2001年4月25日
荒木清寛外務副大臣は、4月23日及び24日、タイ・バンコクにて開催された第57回ESCAP総会に出席したところ、概要以下のとおり(日程は末尾)。
1.ESCAP関係
(1)ESCAPは、アジア太平洋諸国の経済社会開発支援を目的とした国連地域機関であるが、過去、活動の焦点がはっきりしない等の問題が指摘されてきている。これに対し、昨年夏に就任したキム・ハク・スー新事務局長(韓国人)は、ESCAPの最活性化のため、活動のプライオリティー付け(貧困対策、グローバル化に乗り遅れた途上国への支援等)、職員の意識改革等を行っている。
(2)荒木副大臣からは、以下を表明した。
- (イ)キム事務局長のESCAP再活性化方針を強く支持する。
- (ロ)ESCAPの活動の焦点に、「人間の安全保障」を据えるべき。
- (ハ)我が国はESCAP活動を引き続き支援する(具体的支援策を説明)。
(貧困対策面で、特に我が国の関心のある事項として、下記を説明した:農村開発、環境保護、感染症対策、社会的弱者(障害者)への支援、デジタル・ディバイド解消)
2.また荒木副大臣は、この機会を利用して、ESCAP関係以外で、下記の行事参加、意見交換等を行った。
(1)「ASEAN工学系高等教育ネットワーク(SEED-Net)」(ASEAN諸国主要大学と日本との協力)事業開始式典参加(合意文書署名、レセプション等)(於 チュラロンコン大学)
ASEANの主要大学と日本の大学との間で、工学部門での人材育成を開始するプロジェクト。ASEAN10カ国から、教育関係省庁の大臣、大学長等が参加した。これは1997年の日・ASEAN首脳会議での議論を受けて、3年強の準備を経て実現に至ったもの。ASEAN全10カ国を相手とする経済協力案件は初めてであり、日・ASEAN関係強化に資するプロジェクトである。
(2)さらに荒木副大臣は、タイ・スラキアット外相、韓国・チョイ外交通商部次官ら、各国代表と、二国間関係の進展、国際機関での協力推進の為の意見交換を行った。
【日程概要】(●印はESCAP関連行事。○印はESCAPとは関係無い)
4月23日 |
午前 |
●ESCAP総会で政策演説 |
午後 |
○SEED-Net(ASEAN諸国主要大学と日本との協力)事業開始式典参加(於 チュラロンコン大学) |
●ESCAPで、インドの障害者支援団体表彰式参加(日本政府がスポンサー。3万米ドルの小切手を荒木副大臣から手交) |
●タイ・スラキアット外相主催レセプション参加 |
●荒木副大臣主催レセプション |
24日 |
午前 |
●韓国・チョイ外交通商部次官(韓国首席代表)との懇談 |
●ESCAP閣僚ラウンドテーブル参加 |
午後 |
●ESCAP勤務の邦人職員との懇談会 |
●中国代表団主催レセプション参加 |
○在タイ日本人ビジネスマンとの懇談 |
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