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逢沢副大臣のイラン、アゼルバイジャン及びトルクメニスタン訪問
(概要と評価)



 逢沢外務副大臣は、1月10日から19日まで、イラン、アゼルバイジャン及びトルクメニスタンを歴訪したところ、結果概要等次のとおり。

I.訪問概要

1.イラン

(1) 全般

12日、ラフサンジャニ公益評議会議長、ローハニ国家安全保障最高評議会書記、アミンザーデ外務次官と会談を行った。

(2) 政府要人との会談

(イ) 二国間関係
逢沢副大臣より、中東の大国であるイランとの関係を更に拡大していきたいと述べたのに対し、イラン側より、アザデガン油田開発を出発点としてエネルギー分野における日本からの投資と関与拡大について、期待の表明があった。
(ロ) 核問題
逢沢副大臣より、イランとEU3(英仏独)との間で長期的取り決めに向けた交渉が開始されたことを歓迎しつつ、ウラン濃縮・再処理の例外なき停止を含め累次のIAEA決議のすべての要求事項を誠実に履行することを求めた。これに対し、イラン側より、核兵器に完全に反対しており核兵器を追求することはない、また、原子力の平和的利用は各国の権利であると述べるとともに、EU3との長期的取り決め合意への期待が表明された。
(ハ) イラク情勢
逢沢副大臣より、イランの建設的役割への期待を表明したのに対して、イラン側より、イラクでの民主主義の実現を期待するとしつつ、現在最も重要なことは、予定通りの選挙の実施と治安の確保であるとして、地域の安定のために努力していくと述べた。
(ニ) 中東和平
イラン側より、パレスチナでの選挙結果を歓迎する、他方、国際社会がパレスチナ人の権利に配慮し、状況が改善され、和平が実現されることを期待するとの見方を示した。
(ホ) 国連改革
逢沢副大臣より、多くの加盟国が国連改革の必要性を訴えており、是非国連改革を実現させねばならない、とりわけ安保理の改革が必要であると述べた。これに対して、イラン側より、出来る限り日本と意見交換を行っていきたく、早期に意見が一致することを期待していると述べた。

2.アゼルバイジャン

(1) 全般

1月14日-16日、ラシザデ首相、シャリフォフ副首相、メメディヤロフ外相、アラスガロフ国会議長と会談した他、サンガチャル石油ターミナル(BTCパイプラインの起点)及び円借款案件(シマン火力発電所1号機)等の視察を行った。

(2) 政府要人との会談

(イ) 二国間関係
アゼルバイジャン側より、両国関係の強化への期待、日本による経済協力に対する謝意と共に、日本企業による製造業部門への投資の拡大への期待が表明された。
(ロ) 国連改革
逢沢副大臣より、多くの加盟国が国連改革の必要性を訴えており、是非国連改革を実現させねばならない、とりわけ安保理の改革が必要である旨述べたのに対し、アゼルバイジャン側より、日本の常任安保理入りを一貫して支持している旨表明があった。
(ハ) ナゴルノ・カラバフ問題
アゼルバイジャン側より、ナゴルノ・カラバフ問題につき日本の理解と支持を要望越した。逢沢副大臣より、話し合いによる平和的解決を望むとの我が国の基本的立場を説明しつつ、人道的支援を引き続き行っていく旨表明した。
(ニ) 経済関係
アゼルバイジャン側より、同国における非石油産業の育成の必要性を強調しつつ、同分野に対する日本からの投資への強い期待と共に、日本アゼルバイジャン経済合同会議の早期開催次回会合への期待が示された。

3.トルクメニスタン

(1) 全般

1月17日―18日、ニヤゾフ大統領、グルバンムラドフ副首相、メレドフ外相、バリエフ航空相と会談し、日本企業の参画する繊維工場や市内視察を行った。特に、ニヤゾフ大統領とは我が国本国の政府要人として初の会談であり、右会談は1時間半に及んだ。また、副首相との会談には現地で事業を展開する日本企業関係者の同席を得て、日本企業の活動への支援を要請した。

(2) 政府要人との会談

(イ) 二国間関係
トルクメニスタン側より、在トルクメニスタン日本大使館の開設を高く評価し、これを契機として二国間関係を一層強化させることへの期待が表明された。また、第6回日本トルクメニスタン経済合同会議の開催につき、本年東京で開催するべく具体的準備に入ることで双方の意見が一致した。
(ロ) 国連改革
逢沢副大臣より、多くの加盟国が国連改革の必要性を訴えており、是非国連改革を実現させねばならない、とりわけ安保理の改革が必要である旨述べたのに対し、トルクメニスタン側より、これを支持するとの明確な表明があった。
(ハ) 地域情勢
この地域の周辺国の情勢を巡り意見交換した。逢沢副大臣より、アフガニスタンの国造りに向けた日本の支援につき説明し、トルクメニスタン側よりも、同国がアフガニスタンに対する電力供給等につき貢献しているとの説明があった。
(ニ) 「中央アジア+日本」対話
逢沢副大臣からの説明に対し、トルクメニスタン側は、この地域の発展のためには何らかの枠組みが必要である、また、中央アジア各国それぞれの政治状況、経済発展の違いを踏まえた個別のアプローチも必要であろうとの発言があった。


II.評価

1.イラン

(イ) 我が国は、中東地域の安定及び我が国のエネルギーの安全保障の観点からイランとの関係を重視しており、今回の訪問は、継続的なイランとの政治対話による二国間関係の強化に資するものとして有意義であった。
(ロ) イランの核問題については、昨年11月のイランとEUとの合意後、初めての政治レベル訪問として我が国より改めて、イランが累次のIAEA理事会決議のすべての要求事項を誠実に履行するよう働きかけを行い、国際社会との信頼関係構築の必要性を伝えることができた。
(ハ) イラク情勢について、イラクの予定通りの選挙実施と治安確保の必要性について意見が一致した。

2.アゼルバイジャン

(1) 同国は、地政学上の重要性に加え、カスピ海のエネルギー資源開発を背景に好調な経済成長を続けるコーカサスの核となる国であるとともに、日本企業が同国の油田開発と輸送パイプラインの建設に参加する等わが国にとって重要な国である。今回、副大臣の訪問により、今後の両国関係の強化の方向性を確認し、地域・国際情勢につき意見交換を行ったことは、有意義であった。
(2) わが国の安保理常任理事国入りについて、支持表明があった。

3.トルクメニスタン

(1) 日本大使館の開館のタイミングに合わせ、今回副大臣の訪問を実施したことにより、今後の両国関係の進展に向けた重要な一歩となった。特に、ニヤゾフ大統領との会談は、本国の日本政府要人として初めてであり、同大統領との会談が異例の一時間半の長時間に及んだことは、同国の歓迎と期待を表すものといえる。
(2) 同大統領より、日本企業の活動に対する支援につき表明があるとともに、本年中に日本にて経済合同会議の開催を合意する等両国間経済関係における具体的進展がみられた。
(3) わが国の安保理常任理事国入りについて、同大統領より、明確な支持表明があった。
(4) 同国の人権問題についても我が方より提起し議論を行った。


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