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日本経済は他のOECD諸国や過去の栄光と比較して厳しい状況が続いており、これまでのやり方を根本的に変革する必要がある。
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他のOECD諸国が米国に対する一人あたり所得のギャップを縮めているのに対し、90年代後半の日本の一人あたり所得は米国に対して低下しており、これは日本において深刻な事態が生じていることを示唆している。この状態が続いた場合をシュミレーションすると、2030年には日本の一人あたりGDPは米国の50%にまで落ち込む可能性がある。ただし、小泉首相は構造改革が不可欠であり無駄にする時間は全くないことを強調しており、このような事態に陥ることはないと考えている。
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日本の投資は依然高水準であるが、投資のリターンは非常に低く、これは資源の適切な配分が適切になされていないことを示唆。日本の企業家精神(entrepreneurship)はあるべき姿とかけ離れており、これは起業時に資本へのアクセスが制限されていること、ビジネススクールや大学での教育環境の不整備などの問題に起因するものである。日本への対内直接投資が低迷するなど体外開放の面でも日本は遅れている。
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大手銀行の抱える不良債権は資本が瀕死の企業に縛り付けられていることを表している。不良債権問題には、借り手企業のガバナンスの欠如、銀行における規律・経営スキルの不足がある。
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日本国内に中国経済について懸念する向きがあるのは承知しているが、北米におけるカナダ・米国・メキシコの例が示しているように、中国は日本に大きな比較優位を与えるものとなる。
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日本が望ましいレベルの経済成長を達成するためには資源の再配分が必要であり、そのためには多くの分野における根本的かつ深い構造改革が不可欠。全ての国は時あるごとに構造改革を必要とし、その改革には常に既得権益による抵抗がつきものである。日本国民は小泉内閣によって提示された政策改革の選択肢を支持するべきである。
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