(1) |
日 時: |
6月10日~13日
|
(2) |
場 所: |
国連食糧農業機関(FAO)本部(イタリア、ローマ)
|
(3) |
出席者: |
世界181カ国以上の首脳・閣僚(イタリア・ベルルスコーニ首相が司会。スペイン・アルスナール首相、インドネシア・メガワティ大統領、多数のアフリカ諸国の首脳。アナン国連事務総長。欧州委員会プロディ委員長、米、加等から農業大臣)が出席。
日本政府から武部勤農林水産大臣、水野賢一外務大臣政務官が、また代表団顧問として谷津義男衆議院議員(前農林水産大臣)が参加した。
|
(4) |
今次会合の目的:1996年に開催された世界食糧サミットで採択された「世界食糧安全保障に関するローマ宣言」(全世界で8億人にのぼる栄養不足人口を2015年までに半減させるとの目標)に関して、世界の首脳が再度会合し、実施状況を振り返り、今後の確実な取り組みに向けた政治的意思を再確認すること。
(注:栄養不足人口は、過去数年で、東アジアでは減少しているが、アフリカ、南アジアではむしろ増えている面もあり、世界的な減少率は低い。このままで推移すれば、2015年迄に半減するとの目標の達成は困難と見られている。)
|
(5) |
政治的合意文書の採択
初日に、「飢餓撲滅のための国際的連帯(「International Alliance against Hunger」)」と題する政治文書を採択した。
|
(6) |
各国の発言
本会合とラウンドテーブル(「サミット行動計画ー達成結果、実行上の障害、克服手段」)が開催され、前者には13日武部農水大臣が、後者には11日水野政務官が出席して発言した。
各国からの発言は以下の通り。
(イ) |
途上国からの主張
● |
先進国からのODAを増やすべき。 |
● |
先進国が市場開放することで、途上国の農産品輸出を受け入れて欲しい。 |
● |
先進国の農業補助金は、途上国の農産品生産・輸出の障害であり、撤廃すべき。
(注:農業補助金に対する批判に対しては、米、EUとして、対応が求められている事が改めて明らかになった。)
|
● |
知的財産権保護により、途上国が最新の技術を利用できないことは避けるべき。 |
● |
債務削減をして欲しい(インドネシア、アフリカ諸国)。 |
|
(ロ) |
先進国側からの主張
(a)欧州委員会プロディ委員長
● |
EUのODA増額計画を改めて説明(今後、GDP比0.39%に増やす)。 |
● |
LDCからの輸入への無税・無枠供与(Everything but arms)政策を改めて説明。 |
● |
米の最近の農業法への強い懸念を表明。 |
● |
途上国での良い統治(good governance)、法の支配の重要性を指摘。 |
(b)米ヴェネマン農務長官
● |
米のODA増額計画を改めて説明(今後3年間で50%増。2006年に50億ドル増)。 |
● |
バイオテクノロジーの有用性を主張(注:米はバイオテクノロジーの有用性に関する会議を同時期にローマ市内で開催した。) |
● |
途上国での良い統治(good governance)、法の支配の重要性を指摘。
|
(c)カナダ
● |
LDCからの輸入への無税無枠実施に向けたカナダの努力を説明。 |
● |
米の最近の農業法への強い懸念を表明。 |
|
|
(7) |
その他
本会合と並行して、列国議会同盟(IPU)及びイタリア議会の共催による議会人会合が開催され、谷津義男衆議院議員が参加した。
また谷津議員と水野政務官は、デュフFAO事務局長から少人数朝食会に招かれ(6月12日)、日本とFAOとの協力強化等について意見交換した。
更に、NGOフォーラム、利害関係者(ステークホールダー)会合等、数多くの並行行事が開催され、様々な出席者により食糧安全保障の達成に向けた議論が行われた。
|