| (イ) |
CAP&Trade制度については、既に二酸化硫黄(以下「SO2」)の国内排出量取引に関する法的枠組を有しており、SO2国内排出量取引の経験を参考にしてCO2の排出量取引を行うことを企図している。SO2に関する制度がそのまま当てはまるというものでもないが、CO2のCAP&Trade制度設計も既に最終段階にあり、あと二週間もあれば完成するはずである。制度設計を了した後、法案を作成して政府に提出する予定である。国内的なCAP&Trade制度が導入されれば、企業に対し排出量の割当が行われ、企業は割当量に余剰がある場合は売却することができるようになる。排出割当の方法はGrandfathering(注:無料で割り当てる方式)を予定している。
|
| (ロ) |
CO2の国際排出量取引制度はまだ開始していないが、スロバキアとしては自国のAAUを次のような体制で売却することとした。すなわち、国際的な取引算入者に対しては、国内における排出削減プロジェクトに基づく排出削減量を売却する。例えば、政府として10万トンのAAUを売却する場合、そのAAUはスロバキア国内の排出削減量をもたらす実際のプロジェクトに基づいているということである。
|
| (ハ) |
ETを行う際の基準は、JIの場合と若干異なり、CO2の排出源となる者が直接関わっていることが必要だが、他方、既に進捗中のプロジェクトであっても、将来のプロジェクトに関連を有する場合であっても認められる。また、追加性も必要とならない。ある排出源の閉鎖自体は対象とならないが、化石燃料から地熱燃料への転換によるボイラーの閉鎖といった場合は受け入れられる。国家が支援しているプロジェクト、例えば市町村が地区暖房のために行っているような事業が排出削減をもたらした場合、一定割合のみが取引の対象となる。
|
| (ニ) |
ETの分野で望ましいと考えている事業としては、JIと重なる部分があり、化石燃料から再生可能エネルギーへの燃料転換のプロジェクト、化石燃料の使用を削減するためのプロジェクト、炭素含有量の少ない燃料への転換のプロジェクト等である。
|
| (ホ) |
ETの手続としては、まず、売り手が環境省に対し申請を行う。環境省は、当該申請に添えられたベースラインスタディを検討し、CO2の排出削減量等が基準を満たしている場合、承認する。環境省は承認されたプロジェクトに対し確認書(Confirmation letter)を発出し、同確認書に基づき、京都議定書の発効後に排出量が移転される。
|
| (ヘ) |
ETにおける価格決定は、売り手と買い手間の合意により、政府は関与しない。
|