セミナーにおける川口外務大臣メッセージ
「第2回日・GCC安全保障セミナー」がハマド首長のご指導の下、益々の発展を遂げておられるここカタールにおいて開催されますことを大変うれしく思います。本セミナーをホストするにあたり指導力を発揮されたハマド外務大臣はじめカタール外務省の皆様方、カタール大学の皆様方に心から敬意を表します。
冷戦後、地球的規模の武力衝突の可能性が遠のく一方、宗教や民族を対立軸とした紛争が顕在化しつつあります。また、大量破壊兵器やミサイルの拡散などの危険性が増大しており、 特に9.11以降、国家的脅威に加え非国家主体からの脅威も現実のものとなっております。国際社会は現在大きな転換期にあります。国境を越えた脅威への対処が全ての国に求められています。国際テロの問題に国際社会が初めて連携して取り組み始めています。各国の便宜的な政策は許されなくなり、中長期的な視点に立って現実と向かい合うことが求められています。あえて論議を呼び起こす言い方に言及すれば、中東の安定を得るために現状維持を優先する政策を疑問視し、変化を追求するリスクを取るべきではないかとの認識も語られるようになってきているのではないでしょうか。
中東の安定を確保するためには湾岸地域の安定と共に中東和平を進めることも不可欠です。こうした状況の中で湾岸の安全保障のために湾岸諸国がいかなる構想をもつべきか、中東諸国がいかなる構想をもつべきか、湾岸諸国とわが国を含む国際社会が共同してどう取り組むべきか等多くの問いに答えていく必要があります。中東における安全保障問題は大量破壊兵器の拡散問題、テロとの闘い、中東和平問題への取り組みといった政治的側面からのアプローチに加え、不安定化の要因を除去し紛争を予防するための開発、その開発を実現するための人的資源の開発と社会変革といった側面からも問い直していく必要があります。
多様化する脅威に対処するためには国際社会が共同して行動することが重要であり、イラクを巡り湾岸情勢が緊迫化する中、本セミナーは極めて有意義な時宜に適った企画であります。各国の叡智を代表するセミナー参加者の皆様方の議論が湾岸地域の安全保障の確立に向けた礎石になるものと確信しております。
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