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外務本省


矢野外務副大臣のPIF域外国対話出席・PIF加盟国訪問
(概要と評価)



平成15年8月25日


<要 点>

1.太平洋諸島フォーラム(PIF)域外国対話(8月19日ニュージーランド)
(1) 沖縄イニシアティブ:5月の第3回日本PIF首脳会議(太平洋・島サミット)を受けて双方の取組を確認。
(2) ソロモン:法と秩序の回復と経済復興に向けた協力について協議。
(3) 北朝鮮:包括的解決に向けた国際社会の支援につき一致。
(4) PIF総会(14~16日)では、ソロモン支援、PIF史上初の豪州人事務局長選出が注目点。コミュニケでは、太平洋・島サミットへの高い評価、北朝鮮の核兵器計画の放棄等に言及。鯨保護、放射性物質輸送につき引き続き厳しい姿勢を表明


2.PIF加盟国訪問
(1) 豪(20日):ダウナー外相との朝食会で、ハワード首相訪日(7月)のフォローアップ、テロ対策、ソロモン情勢、北朝鮮情勢、大量破壊兵器等の不拡散についての協力強化で一致。
(2) ソロモン(21日):法と秩序の回復を確認。10月のドナー会合に向け、経済復興への日本の協力期待。
(3) バヌアツ(22日):12年振りの日本からの要人訪問。経協への謝意と共に、放射性物質輸送に向けた協議要請あり。


 矢野外務副大臣は、8月18日~19日、ニュージーランド(オークランド)を訪問し、第15回太平洋諸島フォーラム(PIF)域外国対話*に出席すると共に、PIF各国外相らと個別会談を行い、引き続き20日以降PIF3ヵ国(豪州、ソロモン、バヌアツ)訪問を行ったところ、概要及びとりあえずの評価は以下の通り。

 *PIFの域外国対話は、1989年にPIFの前身の南太平洋フォーラム(SPF)が援助国を中心とする域外国との対話を開始して以来、実施されている。例年、域外国対話の直前にPIF総会が開催され、総会コミュニケが採択される。PIF側は総会での議論を踏まえ、域外国との対話を行っており、今回は15回目の対話。わが国は第1回対話より継続してハイレベル代表団の派遣を行っている。
 PIF加盟国・地域は、豪州、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、サモア、ソロモン、バヌアツ、トンガ、ナウル、キリバス、ツバル、ミクロネシア、マーシャル、パラオの14ヶ国と、クック諸島、ニウエの2地域。


1.概要

(1) 第15回域外国対話

(イ) 19日午前、日・PIF域外国対話がニュージーランドで開催され、我が方より矢野副大臣が、先方より、ゴフ・ニュージーランド外務貿易相、ナマリュー・パプアニューギニア外相、モトフ・ニウエ官房長官、レビPIF事務局長が出席した。
(ロ) PIF側は冒頭、本年5月の「太平洋・島サミット」開催、沖縄イニシアティブ発表等、最近の日本の貢献につき感謝の意を表明した上で、「持続可能な開発」等の問題につき、今後とも積極的に取り組む姿勢を表明し、資金協力等で我が国による一層の協力を求めた。我が国は、「沖縄イニシアティブ」という総合的な地域開発戦略に基づき、一層の協力に努め、同イニシアチブを着実にフォローアップし、実施していくことを強調(フォローアップの進捗状況を示す資料を席上配布)。
(ハ) 主な議題のうち、海洋資源に関し、PIF側より、我が国の中西部太平洋マグロ類条約(WFPFC)準備会合への参加を歓迎する旨の表明がなされた。捕鯨については、我が国は科学的データに基づき鯨を含む海洋資源の持続可能な利用を推進する立場を表明し、PIF側は、サンクチュアリ(捕鯨を禁止する海域)を国ごとに設ける意見がPIF内で有力である旨説明した。
(ニ) 地域安全保障について、PIF側より、ソロモンの法と秩序の回復に向けたPIFの取り組みが進捗しつつある旨説明し、本問題に対し日本の更なる協力を求めた。
(ホ) 今次域外国対話において、総会での議論を踏まえ、新たに北朝鮮問題が議題としてとりあげられ、北朝鮮の核兵器開発放棄、IAEA査察の受け入れの再開、NPTへの復帰を求めることが強調された。
(ヘ) 放射性物質の輸送問題については、PIF側から、今後、輸送国側と一層の対話を継続したいとする方針が表明された。
(ト) この他、我が国とPIF諸国との間の貿易・投資促進の方途、テロ対策等について今後とも協力していくこととなった。


(2) 二国間会談

(イ) ニュージーランド
 今次PIF総会で新たに議長国となったニュージーランドのゴフ外貿相との会談では、二国間関係強化に加え、PIF議長国として日本と協力を強化する旨確認した。北朝鮮問題では、北朝鮮と国交のあるニュージーランドが日本と立場を共有する旨表明した。
(ロ) パラオ
 パラオのシュムル外務大臣との会談では、経済協力を含む日本との協力関係を評価するとともに海洋資源に対する立場の日本との共有及び、国際場裡における一層の協力を確認した。
(ハ) パプアニューギニア
 ナマリュー外相と会談し、島嶼国の中で重要な地位を占める大国であるパプアニューギニアとの間で国連改革等国際場裡における協力を確認した。
(ニ) この他、英国及び仏とも二国間会談を行い、放射性物質輸送に関し、二国間関係の一層の強化を図った。


2.域外国対話のとりあえずの評価

(1) 我が国は、PIF諸国との関係強化のため、第1回の域外国対話より副大臣、政務官(政務次官)級の要人を派遣してきているが、今回の域外国対話は、本年5月の第3回太平洋・島サミット開催後、初めてのものであり、右サミットによって高まったモメンタムを更に確実なものとするため副大臣が出席した。

(2) PIF側はこうした日本側の積極的な協力姿勢を一様に評価し、域外国対話の場、二国間対話の場を問わず、先方から何度も感謝の表明があった。

(3) 全体的に極めて友好的・協力的な会談となったが、鯨等の海洋資源や放射性物質輸送についてPIF加盟国の多くは厳しい立場をとっており、今後とも注視していく必要がある。

(4) また、今回特に北朝鮮問題が取り上げられ、日本の立場に対するPIF側の理解が深まり、国際場裡における協力が確認された。

(5) 今次域外国対話に先立ち行われたPIF総会から1年間議長国がニュージーランドとなり、また、明年1月からの新事務局長に豪州人が選出されたことにより、我が国としては、豪、NZとの協力を軸とした他の島嶼国との協力が、ソロモン問題等個々のイシューにおいて今後より一層重要になると考えられる。

3.PIF加盟国訪問

(1) 豪州(20日)
 ダウナー外相との朝食会において、イラクでのテロによるデメロ国連特別代表等の死を悼むとともに7月のハワード首相の訪日のフォローアップを強化すること、ソロモン、北朝鮮問題、大量破壊兵器等の不拡散等について協力を強化することで一致。

(2) ソロモン(21日)
 部族紛争で治安が悪化した同国に対し、7月24日以来豪を中心としたPIFの警察(約300名)、軍関係者(約2300名)の合同介入が行われている。ケマケザ首相、リニ副首相、ワーナー特別調整官等との意見交換と部隊視察を通じ、当面の課題である法と秩序の回復が予想以上に進捗していることが確認された。日本に対しては、次の課題である経済復興への強い期待が表明され、10月に予定されているドナー会合への参加を強く求めた。

(3) バヌアツ(22~23日)
 同国との関係は良好であるが、91年の鈴木政務次官(当時)の訪問以来、要人訪問が途絶えていた。今次訪問の趣旨の一つは、日本の関心と協力姿勢を印象づけることにあり、会談したナタペイ首相及びボオール副首相兼外相からは、沖縄イニシアティブと共にこの点が確認された。先方よりは、経済協力、放射性物質輸送問題について、一層の協議を求めた。


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