寄稿・インタビュー

平成26年1月23日

謹んで春節のご挨拶を申し上げます。日本で御活躍されている華人の皆様と共に新年をお祝いしたいと思います。

日中関係は,日本にとって最も重要な二国間関係の一つです。日本にとって中国は最大の貿易相手であるとともに,中国にとって日本は最大の投資国であり,日本企業は中国で1千万人の雇用を創っています。日中の貿易総額は,国交正常化以降の40年あまりの間に,約11億米ドルから,現在では3,337億米ドルにまで拡大しています。また,日中間の人的往来も,同じ時期に年間2万人から495万人へと大きく伸びています。

日本は,戦後68年間にわたり,自由で民主的な国を作り,ひたすらに平和の道を邁進してきました。今後もこの姿勢を貫くことに何ら変わりはありません。むしろ,国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から,国際社会の平和と安定にこれまで以上に貢献していきます。こうした我が国の基本的姿勢は,日本にお住まいの皆様には十分ご理解いただけると考えます。

日本が,ODA等を通じて中国の発展を一貫して支援してきたことも,また皆様よくご存知のとおりです。日中両国は今後さらに手を携え,地域と国際社会全体の発展のために責任を果たしていかなくてはなりません。そのためには,日中間に個別の課題があっても,それを二国間関係全体に影響させないようコントロールしていくとの「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻ることが必要です。両国の間では,首脳レベルを含めて,様々なレベルで対話を行っていくことが重要です。私の対話のドアは常にオープンです。

本年は午年。例え障害物があっても乗り越え,未来に向かって共に進んでいきましょう。皆様にとって本年が,駿馬の跳躍のように大きく,ダイナミックに発展する年になることを祈念しています。

日中関係の発展を心より願い,私の挨拶と致します。

2014年1月
内閣総理大臣
安倍晋三

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