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北米総領事便り



在マイアミ日本国総領事 島内 憲

1999年7月

 在マイアミ総領事館の担当地域はフロリダ州だけですが、一州のみと言っても、気候、政治、経済のみならず人口構成の面でも極めて多様性に富んでいますので、少なくとも三つの州を担当しているようなものです。「三つのアメリカ」と言ってもいいかも知れません。今回はマイアミを中心とする南フロリダをご紹介したいと思います。

島内総領事 在マイアミ総領事館が所在するビルを望む

英語よりスペイン語が良く通じるマイアミ

スペイン語の看板が立ち並ぶSW8番街  マイアミに来てまず気がつくことは、街で英語よりスペイン語が聞こえてくることが多いことです。それもそのはずです。マイアミが所在するマイアミ・デード郡では、英語を母国語としない人口が約半分を占めているのです。ここには、キューバをはじめ中南米の至る所から人々が集まってきます。政治的自由を求めてくる人もいれば、よりよい生活に憧れてやってくる人もいます。近年においては、中南米の富裕層の保養地、さらには、米州のビジネスセンターとしても目覚ましく発展しています。マイアミは、中南米の人々にとって、買い物、商談、マスコミ情報の入手等をすべてスペイン語でできる大変便利で居心地の良いところなのです。ブラジル人街やハイチ人街もあります。むしろ問題なのは、英語が十分に通じないことが時々あることです。真の国際都市を目指すマイアミにとって、英語のレベルを引き上げるとともに、日本語、中国語、フランス語などの外国語教育を充実させることが重要な課題となっています。

犯罪都市マイアミ?

 マイアミは治安の悪いところというイメージが広くもたれています。日本でも6年前の一連の観光客殺害事件の記憶が、かつての人気テレビシリーズ「マイアミ ヴァイス」のイメージと重なって、大変危険な場所と思われているのではないでしょうか。しかし、実態はは、かなり違います。確かに、依然として米国の大都市の犯罪発生率番付の上位に載っていますが、横綱、大関からはほど遠く、せいぜい小結級です。米国全体で、経済の好調や犯罪取り締まり方法の改善を背景にここ数年犯罪が急速に減少する中で、マイアミでは全国平均を上回る率で犯罪が減少しています。生活実感としても、危険な場所という感じはありません。もちろん、世界のどこにいても、油断は禁物ですが、夜間人通りの少ない所は一人歩きはしないとか、日夜を問わず犯罪発生率の高い地区はさけるといった常識的な注意事項さえ守っていれば、マイアミで犯罪の被害に遭う可能性は低いと言えましょう。

年々悪化する交通事情

 マイアミは、抜けるような青空、美しい海岸、多様性に富む動植物群など豊かな自然に恵まれています。買い物に便利ですし、スポーツ・娯楽はほとんど何でもあります。ここで退屈することはまずありません。米国で最も生活環境の良いところの一つなのではないかと思います。 マイアミの住民に共通する大きな悩みがあるとすれば、交通事情の悪さです。ラッシュ時の渋滞の激しさといい、運転マナーの悪さといい、相当なものです。私がここに着任した当初、運転マナーの悪い人が多いのは、多数の不法滞在者が無免許で運転しているからだという極めて明快な説明を聞き、なるほどと思っていましたが、どうも問題はもっと根深いようです。最近次のような話を聞きました。すなわち、ニューヨークやシカゴのような米国北部の都市は、公共交通機関を中心に街造りをしているのに対し、フロリダやメキシコ国境沿いの諸州(いわゆるサンベルト諸州)の都市では、公共交通機関が未発達のまま、外へ外へと街を拡張する形で開発が行われている、その結果、殆どの住民が自動車による通勤や通学を余儀なくされ、通勤等の距離、時間ともどんどん長くなっている(マイアミでは片道2時間の通勤時間も珍しくない)、このことに対するドライバーの苛立ちが募るなかで、運転がどんどん乱暴になり、事故も増えている、という説明です。なお、交通事情の悪化のもう一つの背景として、米国経済の好調があることも否定できません。以前から米国では、各家庭が父親用と母親用と車を二台もつのが普通でしたが、現在では高校生以上の子供もそれぞれ一台もつことが珍しくなくなっています。車の絶対数が増えているのです。加えて、未曾有の消費ブームですから、 週日、週末を問わず買い物に向かう車で道路があふれています。社会問題になりつつある深刻な交通事情も、「繁栄の代償」との側面をもっていると言えるのではないかと思います。

親日的な南フロリダ

いつも賑やかなベイサイド・マーケットプレイス  マイアミを中心とする南フロリダは日本人にとって極めて居心地の良いところです。日本レストランが至る所にあり、味もいい線を行っているところが少なくありません。全米各地の日本レストランを食べ歩いている日本食通の友人(米国人)によると、マイアミの日本料理は南カリフォルニアに次いでレベルが高いとのことです。しかし、居心地がよい理由はそれだけではありません。対日感情が極めて良好なのです。確かに、南フロリダは人的、地理的、経済的要因により中南米地域とのつながりが深く、同地域に対する関心には極めて深いものがあります。丁度、ハワイや西海岸で日本をはじめとするアジアに対する関心が強いのと同じです。しかし、日本に対し関心がないということではありません。近年、関心がどんどん高まっているといっても差し支えないと思います。理由はいくつかあります。一つは、マイアミが米州地域のビジネスセンター(米州の香港)を目指していることと関係します。最近、州や市の政府関係者、ビジネスマンの間で、ビジネスセンターとして発展するためには、世界第二位の経済大国日本と貿易・投資関係を一層深めなければいけないという意識が強まっています。二番目の理由は、最近の文化重視の流れです。マイアミの政財界の指導者は、今後マイアミが真の国際都市として発展するためには、「文化的砂漠」の汚名を返上し、文化面を充実させなければいけないと、口をそろえて言います。日本文化に対する関心が高まっているのは、決して不思議なことではありません。もう一つ忘れてはならないのは、マイアミには中南米系の人々が多く、彼らの出身国は、親日国が多いという点です。マイアミの人々の日本を見る眼が、好意的なのは、このこととも関係があるような気がします。
 ここ数年、日本における中南米への関心の高まりを背景とする企業進出の活発化などによりマイアミの在留邦人社会は急成長を遂げています。5年前にできたばかりの日本語補習校も生徒数が急増しており、今年100人を突破しました。これに比べ、観光の分野は、今のところ、日本からの来訪者はまだまだ伸びる余地がある(現在年間数万人程度)と言えますが、マイアミは温暖な気候、豊かな自然、米国有数の巨大なショッピングセンター の存在など日本人を惹きつける要素を十分備えていますので、この面も将来性が高いと考えます。マイアミは仕事をする場所としても、休暇を過ごす場所としても、世界でトップクラスのものをもっているのです。そういうマイアミを一人でも多くの日本人にご覧になっていただきたい、というのが私の願いです。



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