外務省員の声

ジブチ便り
(第7話)「W杯がつなぐアフリカ」

(写真)ジブチでのパブリック・ビューイング,夜10時でも気温は40℃!!
ジブチでのパブリック・ビューイング,夜10時でも気温は40℃!!

在ジブチ日本国大使館 杉尾 透


 南アフリカで開催されているサッカーのワールドカップが今,たけなわですね!日本代表チームの活躍もさることながら,各国選手の熱いプレーに仕事や勉強の手がつかない方も多いのではないでしょうか? もちろん,ここジブチでもワールドカップの話題でもちきりです。

 今回出場したアフリカ諸国の6チームは,各国代表であると同時にアフリカ代表でもあります。アフリカで行われる初めての大会でアフリカのチームに活躍して欲しい,とジブチの人も強く願っています。

 先日,カフェで友人らと日本・カメルーン戦を観戦していた時,ウェイターの1人が我々に気兼ねしながらも「カメルーン頑張れ!」とつぶやいたのを聞いて,私は少し嬉しくなりました。というのも,西アフリカにあるカメルーンは東アフリカのジブチから遠く離れていて,これまでほとんどつながりはなかったのですが,今回のワールドカップをきっかけに,両国が互いに関心を持つようになっているように思えたからです。このように,ワールドカップを通じて,アフリカの国々がどんどんつながっていくのを実感します。

 話はサッカーだけにとどまりません。ジブチの人からは「これだけの大きな大会がアフリカで開催され,世界中から多くの人がアフリカにやってくることを,誇りに思う。」という意見を多く聞きます。数万人収容するスタジアムを10か所も作り,アフリカのどの国でも深刻化しつつある犯罪対策を行いつつ,世界中から来た観光客が快適に過せるように努めることは,並大抵のことではありません。そのことはアフリカの人々自身が一番よく知っているのです。

 昨今,アフリカでは政治的,経済的には様々な組織が発展し,統合が進みつつあります。ここジブチにいてもそのダイナミズムを実感します。しかし,これまで一般の人々が自ら「アフリカ人」であることを意識する機会はなかったように思えます。それが今回の南アフリカ・ワールドカップの成功で,アフリカの人々の間にそのような意識が生まれ,連帯感に発展しました。その連帯感を今後の成長,発展につなげていってもらえたら,アフリカに携わる者として望外の幸せです。

わかる!国際情勢メールマガジン第19号<2010年7月>より転載)



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