外務省員の声

ジブチ便り
(第5話)「基地と共存する街、ジブチ」

  • (写真)早朝、出航する日本の護衛艦
    早朝、出航する日本の護衛艦
  • (写真)自衛隊員作成の日本語メニュー
    自衛隊員作成の日本語メニュー

在ジブチ外務省連絡事務所 杉尾 透


 「さようなら~」。2月のある日の早朝、朝もやのなか、4機のプロペラ・エンジンを搭載した海上自衛隊の哨戒機「P-3C(ピースリーシー)」が銀翼を光らせながらジブチを旅立って行きました。昨年10月から4か月の任期を無事終了しての帰任です。今週には護衛艦2隻も帰途に就き、入れ替わりに後任の部隊がジブチへとやってきました。

 日本は今、ソマリア沖アデン湾に海上自衛隊を派遣し、海賊対策のための護衛活動を行っています。その活動拠点が、ここジブチにあります。この昨年3月末のソマリア沖海賊対処活動の開始より、既に延べ1,600人もの自衛隊員が交替でジブチの地を踏んだことになります。

 隊員の皆さんは、慣れないフランス語、アフリカの風習に悪戦苦闘しながらも、街中での飲食、生活を通じてジブチの人々と日々触れ合っています。例えば、レストランでは自衛隊員自作の日本語のメニューが多く見受けられます。店員と共同で製作したものです。こうした交流もあってか日本の知名度も随分上がり、私自身、街中で「ジャポネ!(日本人!)」と声をかけられることが多くなりました。

 ジブチを活動の拠点としているのは、実は日本だけではありません。フランスはジブチの独立前からこの地に軍隊を置き、ジブチの非常時にはともに闘うことを約束しています。アメリカもまた2001年の同時多発テロを契機にジブチに基地を設置しており、仏米両軍あわせて5,000人以上の規模となっています。

 彼らの存在は、政治的に不安定なアフリカの角地域において、ジブチの安定化に一役買っています。これに海賊対策を行う日本自衛隊、EU部隊等が加わっており、ジブチを舞台とした各国軍隊の交流も盛んに行われています。ジブチはさながら「基地の街」のようです。

 というのも、ジブチ港は魚だけでなく、外国からの生活用品が日々陸揚げされ、軍隊にとって不可欠な物資の補給ができるうえ、ジブチの人々がとても開放的で友好的だからです。そして、ソマリア沖で頻発する海賊に対する各国の活動が円滑に進むのも、ジブチの国を挙げての支援があるからに他なりません。

わかる!国際情勢メールマガジン第13号<2010年3月>より転載)



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