外務省員の声

ジブチ便り
(第3話)「ジブチ産の野菜はどこに?」

(写真)美味しそうな野菜・果物が整然と並ぶジブチの八百屋。ただし全部輸入!
美味しそうな野菜・果物が整然と並ぶジブチの八百屋。ただし全部輸入!

在ジブチ外務省連絡事務所 杉尾 透


 「うーんと、上段の果物はフランスから、他は皆エチオピアからだよ」

 先日、ジブチ市内に最近できた市場に足を運んだ時のこと。野菜や果物が山と積まれている八百屋の前で、それらがどこから来たのか聞いてみたら、こんな驚く答えが返ってきました。それでは、ジブチ産の野菜は一体どこに?

 首都ジブチの郊外に一歩出れば、青い空と茶色い土壌が鮮やかなコントラストをなしています。美しい風景ですが、草も生えない土漠です。これこそが、八百屋に国産の野菜がない理由そのものなのです。

 ジブチはアフリカ大地溝帯の一端をなしており、火山もあるので、場所によっては火山岩で覆い尽くされています。それはまるで富士山の五合目のような光景です。また、年間の平均気温が30℃、年間降水量も200mm以下と、過酷な環境での農業は厳しいものがあります。さらに沿岸部の土地は塩分が交じっており、草木が育ちません。火山岩がごろごろある土地、塩が吹いている土地を目にした時、「ここで農業を行うのは本当に大変だな」と痛感しました。

 それでも昨年初頭に発生した食糧危機、さらに安全な食物への関心もあり、ジブチでも農業への関心は高まりつつあります。ジブチ南部のアリサビエという土地は標高が800mと、ジブチでも比較的穏やかな気候のため、農業振興の取り組みが進んでいます。日本の青年海外協力隊(JICAボランティア)の隊員も現地の人とともにジブチの気候に合った農作物の開発に取り組んでいます。ジブチの砂漠緑化に取り組んでいる日本の大学もあります。砂漠緑化はジブチだけでなく、砂漠化に悩むすべてのアフリカの国の課題です。その研究の成果が期待されます。

 こうした努力が実を結び、多少なりともジブチ産の農産物が、市場や人々の食卓に並ぶ日が来ることを願っています。

わかる!国際情勢メールマガジン第8号<2009年12月>より転載)



このページのトップへ戻る
目次へ戻る