
東ティモール民主共和国に対する無償資金協力(防災・災害復興支援無償資金協力)「モラ橋梁建設計画」に関する書簡の交換について
平成20年5月5日
- 我が国政府は、東ティモール民主共和国において、「モラ橋梁建設計画」(the
project for Construction of Mora Bridge)の実施に資することを目的として、総額8億8500万円を限度額とする無償資金協力(防災・災害復興支援無償資金協力)を行うこととし、このための書簡の交換が、5月5日(月曜日)(現地時間・同日)、ディリ市において、東ティモールに出張中の宇野 治外務大臣政務官立ち会いの下、我が方清水健司駐東ティモール国大使と先方ペドロ・ライ・インフラストラクチャ大臣(H.E.
Dr. Pedro Lay, Minister of Infrastructure of the Democratic Republic of
Timor-Leste)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- 東ティモール民主共和国インフラストラクチャ省道路・橋梁・治水局が、アイナロ県ズマライ地区にあるモラ川にかかるモラ橋梁の建設(橋長216m、幅員7m及び取り付け道路合計94m、幅員7m)を行うために必要な資金を供与する。
(2)本計画の必要性
- 首都ディリと南部地域を結ぶディリ-スアイ間の国道は、南部地域の農業産物品を首都に移送する重要な国道である。本国道の南部主要都市間であるカーサ-スアイに位置するモラ川にかかるモラ橋は、コーズウェイ約220m(水中土手)で構築されていたが、毎年の雨期に発生する土石流で流失しため、玉石の河床部を走行せざるを得ず、また、雨期等の増水時においては通行出来ないため、地域住民の交通や南部地域の農産物をディリ市等の市場へ移送する流通に影響を与えていた。
- そのため東ティモール政府は、南部地域の交通・流通を改善するため、交通の難所となっているモラ川を渡河する橋梁の建設に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
(3)本計画の効果
- 今回の協力によりモラ橋梁が建設され、通年にわたりモラ川を渡河することができ、ディリ-スアイ間の交通・物流が安定することとなる。その結果、南部の農村物の市場への流通が促進され、南部地域の農業開発が進むことが期待される。
- モラ橋梁の建設により、交通が円滑となり利便性が高まるため、各隣接するアイリュウ県(人口約3万7,000人)、アイナロ県(人口約5万5,000人)、コバリマ県(人口約5万6,000人)及び首都ディリ市(人口約16万8,000人)の住民生活に様々に裨益する。
(参考) 東ティモール民主共和国の面積は約1万5,000平方キロメートル、人口は約101万人、一人当たりGNI(国民所得)は約316ドルである。(出典IMF)