モロッコ王国に対する無償資金協力(「洪水対策機材整備計画」)に関する書簡の交換について
平成19年8月4日
- 我が国政府は、モロッコ王国政府に対し、「洪水対策機材整備計画」の実施に資することを目的として、7億8,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月4日(土曜日)(現地時間、8月3日(金曜日))、ラバト市において、我が方広瀬晴子駐モロッコ大使と先方アブデルケビル・ザフード国土整備・水利・環境大臣付水利担当国務長官(Abdelkebir
ZAHOUD Secretaire d'Etat aupres du Ministre de I'Amenagement du territoire,
de I'Eau et de I'Environnment,Charge de I'Eau)との間で行われた。
- 本計画の概要は次のとおりである。
(1)本計画の内容
- モロッコ王国政府が2002年12月に策定した洪水対策行動計画に基づいて緊急性の高い30サイトの中小ダム建設、河川水路整備等に使用する機材を調達するための資金を供与する。
- モロッコは半乾燥気候であるが、年間降雨量の殆どが数日に集中する傾向があり、かつ、急峻な地形や貧弱な植生のため、短期間で激しい増水を招きやすく、鉄砲水や土石流等の洪水が頻発している(1909年から2004年の自然災害のうち、洪水被害による被災者が最も多い)。95年のウリカ渓谷、97年及び2002年のエルハジェブ渓谷、の洪水により死者63名、負傷者17名、行方不明者26名の被害)を出した。
- このような状況を踏まえ、モロッコ王国政府は洪水対策を緊急優先課題として全国レベルの調査を実施、2003年12月に洪水対策行動計画を策定した。右行動計画では、水路・堤防・貯水池建設等を含む391サイトの洪水対策関連事業がとりまとめ、その中の緊急対策が必要な50サイトを選定し、現在までに12サイトの事業を完了している。しかしながら、建設機械の不足・老朽化等により事業実施は計画よりも大幅に遅れており、同国政府は、上記50サイトの中から、特に緊急性の高い30サイトについて5か年計画(2007年から11年)を策定し右計画に必要な機材を我が国に要請してきたものである。
- モロッコにおいて、ダム建設などの洪水対策事業能力が強化され、また、地域住民を洪水対策事業の作業員として雇用することにより、地域の雇用を創出し、失業問題の緩和、地域の安定化に寄与することが期待される。
(参考) モロッコの面積は約44.6万k㎡(日本の約1.17倍)、人口は約3,324万人である。