報道発表

人間の安全保障基金を通じたエジプトでの事業に対する支援

平成25年2月26日

1. 今般,国際連合から我が国に対し,エジプトで実施される「上エジプトにおける包摂的な社会経済開発を通じた人間の安全保障」事業に対し,人間の安全保障基金から,約497万ドル(約4億796万円)の支援を行うことが決定された旨通報がありました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して設立されたものです。

2.この事業は,国連工業開発機関(UNIDO),国連女性機関(UN WOMEN),国連人間居住計画(UNHABITAT),国際労働機関(ILO)及び国際移住機関(IOM)が,特に貧しい地域である上エジプトにおいて,人々の保護と能力強化を促進する支援を行うものです。主な内容は以下のとおりです。
(1)人間の安全保障フォーラムや人間の安全保障ファンド等の設立を通じ,地域の雇用創出を促し,経済的安全保障を強化
(2)ユース・ボランティア・サービスを設立し若者の能力強化を図り,即効性のあるプロジェクトを実施することにより,コミュニティの社会資本の充実や社会の結合性及び包摂性を向上させ,コミュニティと個人の安全保障を強化

3.この事業への支援が実施されることにより,上エジプトにおける脆弱な地位に置かれた個人の人間の安全保障の推進が期待されます。

(参考1)人間の安全保障基金
人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約421億円(約3億8,020万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の約210のプロジェクトを支援してきている。

(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議
2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。
本決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論における大きな前進が諮られた。また,本決議には人間の安全保障基金のこれまでの貢献を認識し,加盟国に同基金への自発的な拠出の検討を要請するパラグラフも含まれている。
なお,本決議は,人間の安全保障に関する二つ目の総会決議である。

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