(参考)
(1)タイの洪水被害に際する我が国のこれまでの支援
(イ)10日,国際協力機構(JICA)を通じ,3,000万円相当の緊急援助物資(テント,浄水器等)の供与を決定し,14日,引渡式を実施。
(ロ)14日,スリンASEAN事務総長からインドネシア出張中の大臣への要請を受け,タイ及びカンボジアの洪水被害に際し,ASEANが派遣するアセスメントチームに,我が国からJICAの専門家1名を派遣することを決定(19日派遣)。
(ハ)18日,JICAを通じ、2,500万円相当の緊急援助物資(ボート用の船外機、仮設トイレ、ライフジャケット)の供与を決定。
(ニ)19日,洪水被害状況の調査のためJICA調査団(JICA、国交省専門家各1名)をタイへ派遣。(2)タイの洪水被害の現状
(イ)経緯
7月下旬に,熱帯性低気圧及びモンスーンの影響で,大雨が降り始め,タイの中部地方を中心に洪水,土砂崩れ等が広い範囲で発生している。降雨による被害は,タイ北部から,バンコクに向けた河川における水量の増加を伴いながら,徐々に南下している。10月15,16日,タイ湾の高潮と重なり,バンコクでの被害が懸念されたが,都内は一部が冠水したもの,大規模な被害は免れた。他方,アユタヤ県を中心としたバンコク郊外の工業団地は,冠水し,日本企業の工場が大きな影響を受けている。タイ湾では,10月末頃,再度,大潮を迎えることから,依然警戒が必要な状況。
(ロ)被害の状況(20日現在)
・死亡者数315名 行方不明3名
・被災者数2,484,393名
(ハ)邦人社会への影響
・死亡・行方不明者: 0名(該当の連絡なし)
・バンコク近郊(北側)の工業団地が冠水。多数の400社以上の日系企業が影響。
サハラタナコン工業団地(全42社中日系35社)(味の素,カルピス等)
ロジャナ工業団地(全218社中日系147社)(ホンダ等)
ハイテク工業団地(全147社中日系7割)(キャノン等)
バンパイン工業団地(全84社中日系30社)(ミネベア等)
ファクトリーランド工業団地(全14社中日系5社)(境電子工業等)
ナワナコン工業団地(全190社中日系104)(パナソニック等)(3)東日本大震災に際するタイからの支援
震災後,プミポン国王陛下から天皇陛下,アピシット首相(当時)から菅総理(当時),カシット外相(当時)から松本大臣(当時)に対し見舞いの書簡が接到。タイ王室,政府,企業,国民から多大な寄付金,物資支援を受領した他,福島県への小児科医の派遣も行われた。また,タイ電力公社は,日本国内の電力不足に対処するため24万戸の電力を賄うことができるガスタービン発電機2機を最長5年間,無償で東京電力に貸与した(8月より稼働)。