(1)昨今の経済危機を受けた在日ブラジル人支援の当面の対策
(イ)今次協議では、深刻な在日ブラジル人の雇用問題について、両国政府のこれまでの施策及び今後中長期的に必要な施策について真剣に意見交換を行いました。まず、日本側から昨今の厳しい日本国内の経済状況を説明しつつ、昨年12月、麻生総理及び河村官房長官の指示を受け、1月30日に取りまとめた「定住外国人支援に関する当面の対策」の内容についてより具体的に説明しました。また、JICAによる在日ブラジル人支援についても言及しました。これに対しブラジル側より、日本の取組に謝意が述べられるとともに、未曾有の経済危機の中で、日本側の施策の詳細について説明を受けたことは有益であり、日本は在日ブラジル人に対し施策を講じた唯一の国であるとの評価がありました。
(ロ)続いてブラジル側よりも、在日ブラジル人支援に関する対策につき説明があり、これに対し日本側より、ブラジル側の取組を評価するとともに、在日ブラジル人の子供の教育問題に関して、(a)在日ブラジル人学校への支援、(b)教育の質の向上、(c)未就学対策等の検討をブラジル側に要請しました。
(2)領事問題
日本側から、在ブラジル邦人から要望として出されているブラジルにおける運転免許証や就労査証等に係る問題の改善を申し入れました。これに対しブラジル側からは、在日ブラジル人の所在確認等について要請がありました。
(3)司法分野・社会保障の協力
(イ)両国は、司法分野については、引き続き、別途設置済みの作業部会において議論を進めていくことを確認しました。また、社会保障について、これまでの社会保障作業部会を踏まえ、本年6月にも、東京において両国の当局間協議が開催される運びであり喜ばしい旨、双方で確認しました。
(ロ)日本側より、在日ブラジル人犯罪の現状と対策について、我が国警察当局としては、国内関係機関と連携し、悪質な来日外国人犯罪の取締対策を推進している旨説明しました。また、「不処罰は許さない」との観点から、日本側より国外逃亡犯罪人の問題を重視しており、ブラジル政府に引き続き協力を要請しました。