「アンゴラ共和国における国家地雷除去院能力向上計画」に対する無償資金協力について
平成18年12月15日
- 我が国政府は、国連開発計画(UNDP)等が行う「アンゴラ共和国における国家地雷除去院能力向上計画」の実施に資することを目的として、総額4億6,400万円の紛争予防・平和構築無償資金協力を行うことを決定し、このための書簡の交換が、12月15日(金曜日)、同国の首都ルアンダにおいて、我が方柴田進駐アンゴラ共和国大使と先方ジタ・ホンワナ・ウェルチ在アンゴラ共和国UNDP事務所長(Ms. Gita Honwana WELCH, Country Director of the United Nations Development Programme in the Republic of Angola)との間で行われた。
- アンゴラは1975年の独立以来、2002年まで断続的に内戦が続いた結果、国土の大半は未だに荒廃している。特に、国土の全域に埋設された対人地雷は、アンゴラ政府の推定で約700万個(国際機関によれば1,000万個)と言われ、今日でも年間数百名の一般市民が犠牲になり、国民の安全な生活に重大な影響を及ぼしている。中でも農村地域では地雷の脅威のため安定した生産を営めないでいる。
アンゴラ政府は、地雷除去の計画策定及び実施のために国家地雷除去院(INDA)を創設したが、未だ独力では計画の策定を行うだけの能力を有しておらず、実際の地雷除去作業でも作業員の安全確保などが不十分であるばかりではなく、施設、機材も老朽化している。
- このような事情を背景に、アンゴラ共和国政府及びUNDPは、INDAの能力を強化する計画を策定し、その計画に必要な資金につき、我が国政府に対し紛争予防・平和構築無償資金協力を要請してきたものである。
- 我が国は、ODA大綱において、「平和の構築」を重点課題の1つと位置づけ、地雷対策支援に取り組むこととしている。また、2003年の第3回アフリカ開発会議(TICAD III)以降、「平和の定着」を対アフリカ支援の3本柱の一つとして支援を強化している。これを踏まえ、アンゴラ共和国に対して本分野での支援を積極的に実施しており、本年10月には同国政府の約0億円の地雷除去機材調達に対する我が国食糧援助の見返り資金の活用を認めている。本件協力により、アンゴラにおける地雷埋設地域住民の安定した生活が可能となり、農業等の開発が進むと共に、教育、保健等の基礎生活環境が改善することが期待される。
- なお今回の支援は、昨年4月にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議において小泉純一郎前総理大臣が表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。
(参考)
アンゴラ共和国は、アフリカ南部に位置し、人口は約1,590万人、一人当たりGNI(国民所得)は約1,350ドルの国である。