アルバニアの「南部地域病院医療機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成16年12月8日
- わが国政府は、アルバニア共和国政府に対し、「南部地域病院医療機材整備計画」(the Project for Improvement of Medical Equipment on South Regional and District Hospital of Albania)の実施に資することを目的として、2億3,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月8日(木)、ティラナにおいて、わが方礒部博昭在アルバニア大使館公使(イタリアにて兼轄)と先方ルアン・ハイダラー外務副大臣(Mr. Luan Hajdaraga, Deputy Minister of Foreign Affairs of the Republic of Albania)との間で行われた。
- アルバニアは、2003年5月に国家社会開発中期計画を策定し、2003年から2006年までに保健医療制度(法律、組織、保険基金の改革、診療費の見直し等)の改革を進めており、新しい保健法、保健戦略を策定し、リファレル制度の確立を目指している。
これまで、国際機関やEU(欧州連合)諸国は、コソヴォ紛争とそれに伴う難民の流入等に対処するため、同国北部と首都ティラナ近郊に援助を集中させ、南部地域にはほとんど援助をしていないため、南部地域は経済開発が遅れ、特に医療部門の立ち後れが深刻である。
そのため、本件の対象5病院は、70年代から80年代に建設され、その後、EU等の援助によって改修されているため、医療活動には問題はないものの、医療機材に対する援助がなく、機材が更新されていないため、老朽化が目立ち、二次医療施設としての役割と機能を果たせず、患者に適切な診断・治療を提供することが出来ない状況である。
このような状況のもと、同国政府は、わが国に対し、同国の南部地域における二次医療施設の低下した機能の回復とリファレル体制の確立のために、同地域のギロカッスル病院など5病院に対して診断・治療に必要な基本的な機材の供与について無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、対象5病院の診断・治療機能が改善することで、より適切かつ効果的な治療・指導が可能となるとともに、通院・検査等のために、患者に強いてきていた身体的・経済的な負担を軽減することができ、南部地域での医療サービスの向上が期待できる。
さらに、南部地域において、適切な医療サービスを提供することにより、アルバニア国が国家社会開発計画の中で取り組んでいるリファレル制度の確立への貢献も期待できる。
(参考)
アルバニアは、中東欧に位置し、人口は約320万人、一人当たりGNI(国民総所得)は1,740ドルの国である。
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