わかる!国際情勢 トップページへ

Vol.171 2018年8月14日
インドネシアの「今」-日本・インドネシア国交樹立60周年

日本とインドネシアは2018年に国交樹立60周年を迎えました。従来からの日本製品に対する信頼に加え,最近ではアニメ・漫画・J-POPなど,若い世代を中心に日本のコンテンツに人気が集まり,日本ファンが急増しているというインドネシアの「今」と,日本とインドネシア両国のこれまでの友好関係について,この機会に改めて紹介します。

多様性に満ちた国

インドネシアインドネシアという国を,一言で表すならば「多様性に満ちた国」です。面積は約190万平方キロメートルと,日本の5倍強に相当します。東西に広く,インドネシアの東端から西端までは約5,000km,米国の東西海岸がほぼすっぽりと入る距離を有しています。人口は約2.55億人(2015年,インドネシア政府統計)と,中国,インド,米国に次ぐ世界第4位の大国であり,毎年300万人以上増加し続けています。日本と同じ島国ですが,その数はなんと1万4000以上。地域や島ごとに,固有の民族,そして固有の言語があります。また,世界第1位のイスラム人口を有する国であり,国民の約90%がイスラム教を信仰していますが,その他にもカトリック,プロテスタント,仏教,ヒンズー教,儒教が公認されており,国民には信仰の自由が保障されています。

わかる国際情勢 Vol.76 インドネシアという国

 

世界から注目を集めるインドネシア経済

インドネシアの平均年齢は29歳。若い世代の人口比率が非常に高く,安定した国内政治に支えられながら急成長する新興経済大国です。インドネシアの首都ジャカルタにはASEAN本部が設置されており,ASEANの中核としてアジアに,そして世界に存在感を示しています。また2009年の経済危機の際にも,世界経済がマイナス成長に見舞われる中,インドネシアは好調を維持。2007年から一貫して4~6%前後の経済成長をしています。国内外からの投資も7年連続で過去最高を記録しており,2016年の日本からの投資額は,シンガポールに次いで第2位となっています。

 

「日本ファン」の多い国

インドネシアは,親日国としても知られています。日本製品への信頼度は厚く,インドネシア国内で販売される自動車の98%,バイクの99%が日本製と,圧倒的なシェアを誇っています。また,2014年のインドネシア人への査証免除をきっかけに,日本を訪れるインドネシア観光客が急増。2016年には約27万人にも上り,主要20カ国・地域のうち前年比32.1%増と,最も大きい増加率を記録しました(日本政府観光局(JNTO)統計)。特にインドネシアの若い世代が関心を寄せているのが,日本の文化です。日本語の学習者数は,現在約75.5万人と世界第2位(2015年,国際交流基金)であり,その大部分を占めているのが高校生たちです。以前より実利的な目的で日本語学習をする人は多かったのですが,最近では日本のアニメや漫画,J-POPなどをきっかけに,日本語を学習する若者たちが増えています。

 

ジャカルタ日本祭りの盛り上がり

ジャカルタ日本祭り(JJM)は,日本とインドネシアの友好をテーマに毎年開催されている人気イベントです。もともとは,日インドネシア国交樹立50周年にあたる2008年に記念事業として行われたお祭りでしたが,好評のため,翌年から年1回のイベントとして開催するようになました。サッカー競技場2面以上の広さがあるオープン・スペースの会場内には,各企業や団体,日本食などのブースが立ち並び,会場内のステージでは,期間中,様々な出し物が行われます。JJM当日には,ジャカルタ市内または近郊から1日延べ5万人もの人々が集まり,イベントに参加したり,交流を楽しんだり,コスプレを楽しんだりなど,年々大きな盛り上がりを見せています。

 

バリをはじめとする魅力的な観光地

一方で,日本人にとってもインドネシアは,人気のある観光地のひとつです。「最後の楽園」とも称されるバリ島や,世界遺産に登録されているボロブドゥール遺跡やプランバナン遺跡で有名なジャワ島,世界中のダイバーたちのあこがれの町・マナドのあるスラウェシ島など,その島ごとに多彩な魅力が溢れています。また最近では,インドネシアの島々で豊かな自然環境を体験し,野生のオランウータンをはじめ,希少な動植物に出会えるというエコツアーも人気を集めています。

ジャワ島のボロブドゥール遺跡(左)と,スラウェシ島北部のトギアン諸島の風景(右
 

バラエティあふれるインドネシアの料理

インドネシアの主食は,日本と同じく「米」ですが,その料理は地域・島ごとにバラエティに富んでいます。例えば,西スマトラに伝わる「パダン料理」は,香辛料を使った煮込み料理がメインですが,お店に座った瞬間に全てのメニューが小皿で積み重なって出てくるという,「世界一早いファストフード」と称される独特のスタイルで有名です。食べた分だけ課金されるシステムは,日本の回転寿司にも似ており,パダン・レストランは現在ではインドネシアのほとんどの都市で発見することができます。一方「ジャワ料理」は甘辛い味つけが特徴で,日本人にとっては比較的食べやすい料理と言えます。代表的なものに,スパイスに付け込んだ肉を串に刺して焼く「サテ」があります。また「マナド料理」は海の幸・シーフードを,唐辛子をふんだんに使って辛く味つけした料理が特徴で,「バリ料理」はヒンズー教のため,牛肉料理はありませんが,「バビ・グリン(豚の丸焼き)」など豚肉を使った料理が有名です。

ジャワ料理「サテ」(左)と「パダン料理」(右)
 

日本の協力 - ジャカルタの公共交通機関の整備

ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)事業の様子 提供:JICAインドネシアが現在抱えている深刻な問題のひとつに,首都・ジャカルタの交通渋滞があります。2010年代頃より国内消費が伸び,車やバイクの販売数が伸び続けた結果,朝夕の通勤時に発生する渋滞がひどくなり,大通りや高速道路だけではなく,小道や住宅地にまで及ぶことも少なくありません。この渋滞緩和のために期待されているのが,都市鉄道の整備です。日本政府は,インドネシア初の地下鉄を含む都市高速鉄道システム(Mass Rapid Transit(MRT))を整備構築するべく,円借款による資金協力及び都市鉄道の運営等ソフト面を支援するための技術協力 を国際協力機構(JICA)等を通じて行っています。 土木工事や信号等のシステム,車両の導入などに日本企業が参画するほか,鉄道の安全な運行,運転士/車掌の育成,エキナカビジネスに関する研修なども実施しています。また,ジャカルタ東部のパティンバンに,新しい国際港を建設する事業にも,日本の円借款による支援が行われており,この新港が完成すれば,ジャカルタ市内・周辺地域の物流を変えることになり,渋滞緩和にも寄与するものと期待されています。

 

国交樹立60周年を迎えて

2018年に日本とインドネシアは,国交樹立60周年を迎えました。この機会に,両国では様々な記念事業が行われています。1月19日にジャカルタのファタヒラ広場で開催されたオープニングイベントでは,日本側からは総理特使として二階俊博自由民主党幹事長が挨拶を行い,その後,60周年親善大使の仲川遙香さん,松永祥兵選手,トゥルスさん,ユキ・カトウさん,60周年応援団のen塾,JKT48によるカウントダウンが行われ,ジャカルタ歴史博物館にプロジェクション・マッピングが投影されました。また同月27日にはFC東京とバヤンカラFCとの親善試合がゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムで開催され,試合はインドネシア,日本でも全国的に放送・配信されました。日本とインドネシアが日・インドネシア平和条約に署名し,国交を樹立してから,今年で60年が経ちます。両国は「戦略的パートナー」として,これまでにも政治,経済,文化などさまざまな分野で協力を強化してきました。この60周年の記念事業等を通して,日本人とインドネシア人,それぞれがお互いをさらに深く知る機会になること,そしてますます双方の交流が深まることが期待されています。

日本インドネシア国交樹立60周年オープニングイベントの様子

「日本インドネシア国交樹立60周年記念 2018Jリーグ アジアチャレンジinインドネシア」の様子(左),「日本インドネシア国交樹立60周年」ロゴ・マーク(右)
 
わかる!国際情勢メールマガジン配信中!メルマガ登録希望の方はこちらからお申込みください。
ご意見ご感想もお待ちしています。 (外務省国内広報室)
このページのトップへ戻る
目次へ戻る