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Vol.168 2018年6月26日
日中国交正常化45周年・日中平和友好条約締結40周年を迎えて

日本と中国は,2017年に日中国交正常化45周年,2018年に日中平和友好条約締結40周年という,節目の年を迎えました。この機会に,両国のこれまでの緊密な友好協力関係を振り返るとともに,今後の展望について解説します。

両国の新たな歴史の出発点-日中国交正常化

1972年9月29日,当時の田中角栄首相と中国の周恩来首相は,北京で共同声明に署名し,「恒久的な平和友好関係を確立する」ことで一致しました。これがいわゆる「日中国交正常化」です。その1ヶ月後,日中両国の友好の証として,中国から日本へ,初めて2頭のパンダ(「カンカン」と「ランラン」)が贈られたことでも大きな話題となりました。その後,1978年8月12日に日中平和友好条約が署名され,両国は歴史の新たな一頁を開くことになりました。

 

ますます緊密化する交流

国交正常化以降,両国の経済関係や人々の往来は緊密化していきました。貿易総額は45年間で,約10億ドルから約3000億ドルに増加。中国は日本にとって最大の貿易相手国であり,現在約2万3000社の日系企業が中国に進出し,現地の雇用にも貢献しています。一方で中国にとっても,日本は米国に次ぐ2番目の貿易相手国であり,対中直接投資額は第3位,進出企業数は第1位となっています。また日本は中国に対し,これまでに総額3兆円を超えるODA(政府開発援助)を実施しています。観光で両国を訪れる人々の往来も活発化しており,2017年に日本を訪れた中国人の数は,736万人と過去最高を記録(日本政府観光局統計)。一方,中国を訪れた日本人の数は約259万人(2016年中国国家旅遊局統計)であり,1日当たりの渡航者で換算すると,中国へは1日約7,100人の日本人が,日本へは1日平均約2万人以上の中国人が来日していることになります。

1987年に世界遺産に登録された「万里の長城」は中国屈指の観光名所。全長約6000キロメートルの城壁は人類史上最大の建築物とも言われる。
 

日中国交正常化45周年,日中平和友好条約締結40周年

公式ロゴマーク最近の日中関係における大きなトピックスと言えば,2017年の日中国交正常化45周年,そして2018年の日中平和友好条約締結40周年が挙げられるでしょう。1972年の国交正常化,1978年の平和友好条約締結以来,あらゆる分野において友好で互恵的な関係を発展させてきた両国にとって,両年はまさに節目の年。日中間の幅広い交流の年にしていくために,地方自治体,企業,民間団体等が協力し,様々な交流行事が実施されます。公式ロゴマークは,2007「日中文化・スポーツ交流年」時に使用したロゴマークを継続して使用。Japan-Chinaの頭文字「JとC」を組み合わせ,ハートを(心)を形作っているこのマークは,日中交流の基本は「心と心の交流(ハート・トゥ・ハート)」であることを表しています。

日中国交正常化45周年・中華人民共和国成立68周年記念レセプションの様子(2017年9月)
 

全公演が4日で売り切れた「松竹大歌舞伎北京公演」

松竹大歌舞伎北京公演写真提供: © 松竹株式会社交流事業の皮切りとして実施されたのが,「松竹大歌舞伎北京公演」です。2017年3月18日から20日までの間,北京天橋芸術センターにて開催され,歌舞伎の荒事の芸を見せる『鳥居前』,上方和事の代表作の一つ『封印切』,そして『藤娘』という歌舞伎の人気作を,中村鴈治郎丈,中村芝翫丈,片岡孝太郎丈などの豪華な配役で上演。計5回の公演チケットは,発売開始後4日間で完売となりました。初日には萩生田内閣官房副長官(当時),横井裕駐中国日本国大使らが出席し,計4,200名を超える観客が日本の華麗な伝統芸の世界を堪能しました。また,同年6月13日から16日には,同じく北京で,環境をテーマにした「日中グリーンエキスポ」を開催。日本の最先端の環境技術や製品・サービスを紹介したこの見本市では,4日間で約3万人もの人々が来場しました。

 

スポーツ交流や日本映画上映イベントなども盛りだくさん

2017年8月4日から6日には,北京・中国オリンピックセンター体育館にて「日中友好交流都市中学生卓球交歓大会」が開催されました。これは日中両国の友好都市同士の中学生がペアとなって行うもので,両国の選手たちは身振り手振りで作戦をたて,試合に臨みました。また,試合以外でも練習や食事,観光などの時間を共にすることで,お互いの友情を深めていきました。また「日本映画週間」と題し,北京や広州,上海など中国各地で,日本映画を上映するイベントを開催。映画の出演者や監督なども現地に駆け付け,会場は大いに盛り上がりました。

日中友好交流都市中学生卓球交歓大会の様子(2017年8月)
 

青少年交流の促進

日本と中国は,これまでにも若い世代間の相互理解を深める場を創出するよう努めてきましたが,2017年,2018年の機会に,青少年交流はますます活発化しています。例えば2013年から実施されている対日理解促進交流プログラム「JENESYS2.0」では,中国社会科学院青年研究者代表団中国青年メディア関係者など,様々な分野で活躍する中国の青年たちが来日し,学校や企業,関連団体や施設の視察を行い,交流を深めました。また,「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として行われた「3つの架け橋」プロジェクトでは,「地方間交流」,「青少年交流」,「文化・スポーツ交流」の3つを対日理解促進のテーマとした約1,000人規模の交流事業が行われました。

「3つの架け橋」中国大学生友好交流訪日団第1陣による,沖縄県立芸術大学での植樹活動の様子(2017年9月)
 

ハイレベル会談も活発化

さらに政治的にも,ハイレベルの要人往来や会談が頻繁に行われています。2017年11月11日,ベトナム・ダナンでのAPEC首脳会議に出席した安倍総理は,習近平・中国国家主席との間で日中首脳会談を開催しましたが,その2日後の11月13日にも,ASEAN関連首脳会議出席のためフィリピン・マニラを訪問中に,李克強・中国国務院総理との間で日中首脳会談を行いました。また,2018年5月には,李総理が日中韓サミットの開催に合わせて訪日し,中国の国務院総理として2010年以来8年ぶりとなる二国間公式訪問が実現しました。この時に行われた日中首脳会談で,安倍総理からは日中平和友好条約締結40周年を日中関係の新たなスタートとなる年としたい,李総理の訪日,自分(安倍総理)の年内訪中,習首席の訪日と着実にハイレベル往来を積み重ねたい旨述べました。李総理からは今後新たな発展を得て長期にわたる安定した健全な発展を目指すべきとの発言のほか,安倍総理の年内訪中について招請があり,両首脳はその後の習主席の訪日へと着実にハイレベル往来を積み重ねていくことで一致しました。

習近平・中国国家主席と握手を交わす安倍総理大臣(左)(2017年11月11日),李克強・中国国務院総理と握手を交わす安倍総理大臣(中)と日中首脳会談の様子(右)(2018年5月9日)(写真提供:内閣広報室)
 

今後の両国関係

このように,日中国交正常化45周年(2017年),日中平和友好条約締結40周年(2018年)を契機に,日本と中国の間では活発な交流が行われています。特に両国の若い世代が,言葉の壁を越え,仲良くなっていく様子には,日中関係の将来への希望が映し出されているようにも感じ取れます。また両国は同じ地震国として,防災分野において共通の課題を抱えており,これまでにも様々な協力や支援を行ってきました。2008年に起こった四川大地震,そして2011年の東日本大震災の際には,お互いに救援隊を派遣し,義援金や救援物資を贈り合い,助け合ったことは,今も両国の人々の記憶に刻まれています。2018年は,四川大地震から10年目にもあたります。日本と中国は,2017年,2018年の両年に行われる様々な事業や交流の機会を活かしながら,友好の絆を深めるとともに,2020年に東京で,2022年に北京で,それぞれ開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて,さらなる交流を促進していく方針です。

 
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