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Vol.14 2008年11月12日
国際漫画賞 ~日本ファンを増やそう!

国際漫画賞 最優秀受賞者と高村外務大臣今や世界の共通語になった日本の「マンガ」。ポップカルチャーの文化外交への活用を目指して創設された「国際漫画賞別ウィンドウで開く」。国際漫画賞の概要と世界のマンガ事情、マンガを通じたパブリック・ディプロマシーについて解説します。

COOL JAPAN(かっこいい日本)

マンガ、アニメ、ゲーム、J-POP、さらにはファッションや食文化に至るまで、今日、日本のポップカルチャーは世界中で高い注目を集めています。日本人にとって日常生活の一部となっているこれらのものが、海外の人々にとっては「COOL(かっこいい)!」と賞賛され、流行しているのです。日本古来の、いわゆる伝統文化に対して、このポップで現代的な文化は「COOL JAPAN」と称され、日本文化を語る新たなキーワードとして、世界中で広く認知されています。

 
 

世界のマンガ事情

その中でも日本のマンガは、絵の完成度の高さ、ストーリー性の高さからアジア、北米、欧州といった多くの地域の若者を中心に圧倒的な支持を得ています。例えばフランスは、欧州におけるマンガ人気の中心地でもあります。発行点数において日米に次ぐコミック大国であり、独自のBD(バンド・デシネ)というコミック文化がありますが、ここ数年は日本のマンガがフランスコミック市場を占有しつつあります。また、日本のマンガを読むために日本語を勉強したいという人や、マンガをきっかけに日本への留学を決めたという人も多く、日本マンガに影響を受けた人々が現代の日本に憧れ、日本語や日本文化を勉強するという現象も起こっています。

世界のマンガ(コミック)・アニメ事情
 
 

ハード・パワーとソフト・パワー

外交を行う際、軍事力や経済力といったハード・パワーが交渉を左右することはよくありますが、その国が持つ理念や文化の魅力も交渉の力になることがあります。こうした魅力や影響力はソフト・パワーと呼ばれています。マンガはまさに日本のソフト・パワーのひとつです。相手国政府だけを相手にするのではなく、相手国民に直接・間接に働きかけて自国のイメージを向上させ、これによって自国の政策への理解や支持を得やすくしたり、海外における自国民の安全の確保に繋げるという考え方があり、日本はこのような対市民外交にも力を入れています。これをパブリック・ディプロマシーと呼んでいます。

ハードパワーとソフトパワー パブリック・ディプロマシー
 

国際漫画賞の設立

以上のような事情を背景に、日本のマンガ文化の普及を通じて、日本そのものへの関心が高まるようにと創設されたのが「国際漫画賞」です。2006年4月の麻生外務大臣(当時)によるスピーチ「文化外交の新発想~皆さんの力を求めています~」でのアイディアが具体化されたもので、海外で制作された優秀な作品に対して賞が贈られる、マンガに関する初めての国際賞です。2007年に行われた第1回国際漫画賞には、世界26の国と地域から146の作品が寄せられました。国際漫画賞の創設は海外メディアの注目も集めました。

 
 

審査規準

国際漫画賞の実行委員会は、外務大臣を委員長とするメンバーで構成されていますが、実際に応募作品を審査するのは、日本漫画家協会の協力を得て選ばれた漫画家や、漫画雑誌編集長経験者など、漫画のスペシャリストたちです。歴代の審査委員には、里中満智子氏、やなせたかし氏、ちばてつや氏、モンキー・パンチ氏、矢口高雄氏など、海外でも有名な漫画家が名を連ねており、これも国際漫画賞の魅力となっています。

 

第2回国際漫画賞の応募数

2008年9月に授賞式が行われた第2回国際漫画賞には、世界46の国と地域より368作品の応募がありました。これは前回に比べ、国と地域数で約2倍、作品数でおよそ2.5倍となっています。地域別に見ると、アジア(156)、欧州(114)、アメリカ(66)の順に多く、さらには中東(23)、アフリカ(5)、大洋州(4)など、世界各国からマンガ作品が寄せられていることがわかります。今後、国際漫画賞の存在が知られるにしたがって、益々応募数も、作品の質も向上するでしょう。

 

受賞作品紹介

第2回国際漫画賞最優秀賞に輝いたのは、劉雲傑(LAU WAN KIT 中国・香港)氏の『Feel 100%(百分百感覺)』です。卓越した画力とストーリー性が高く評価されました。優秀賞には、尹川(YIN CHUAN 中国)氏の『逝』Chezhina Svetlana Igorevna(ロシア)氏の『Portrait』Alice Picard(フランス)氏の『Okheania 1』の3作品が選ばれ、ほか12作品が入賞を果たしました。授賞式は9月2日東京・飯倉公館で行われ、受賞者には高村外務大臣から佐藤卓氏がデザインしたトロフィーが贈呈されました。

『Feel 100%(百分百感覺)』と『Okheania 1』
 

日本ファンを増やそう!

また、国際漫画賞の特典として、最優秀・優秀賞の4名は、国際交流基金を通じて日本に10日間招聘されました。第2回の場合、授賞式のほか、第9回国際マンガサミット京都大会への出席や漫画家との懇談などが催され、日本のマンガ文化に直接触れられる貴重な機会として、受賞者から好評を得ました。こうした受賞者が本国で更に作品を発表し、日本と日本のマンガ・ファンを増やしてくれることも期待できます。この国際漫画賞は、2009年度も第3回が予定されており、世界各国の多くのマンガ家ならびマンガファンからの応募が期待されています。

 
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