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Vol.138 2016年1月7日
ポップカルチャーで日本の魅力を発信!

アニメや漫画をはじめとする日本のポップカルチャーは,日本国内のみならず海外においても,若い世代を中心に人気を集めています。今回は,日本を代表する文化のひとつとして成長した「ポップカルチャー」について改めて紹介するとともに,ポップカルチャーを通じて発信できる日本の魅力について解説します。

日本を代表する文化のひとつ

日本には,着物や華道,茶道,歌舞伎,武道など,世界に誇る伝統文化が数多くあり,これらの文化は,日本という国の魅力を示す代名詞にもなっています。例えば,2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」は,日本という枠を飛び越え,今では世界でブームを巻き起こす食文化として認知されています。そして近年では,伝統文化だけではなく,より現代的な日本文化にも注目が集まっています。その中でも,特に,若い世代を中心に圧倒的な支持を得ているのが,日本の「ポップカルチャー」です。

 

「ポップカルチャー」とは

ポップカルチャーとは,大衆向けの文化全般のことを表しますが,現在では「訴求力が高く,等身大の現代日本を伝えるもの」という意味でも使われます。具体的には,漫画,アニメ,映画,ゲーム,ライトノベル,ポピュラー音楽,テレビなどのことを指し,世界に向けて多種多様な作品が紹介されているだけではなく,各国で日本のポップカルチャーの魅力を発信する様々なイベントが行われています。これらの作品やイベントを通じてポップカルチャーに触れ,ファンになったことで,日本語や日本文化に興味を持ったという人は世界中に数多くおり,今やポップカルチャーは,日本に対する理解や信頼を深めるための重要なツールのひとつになっているのです。ここで,ポップカルチャーに関する様々な交流の事例について,見ていきましょう。

「世界コスプレサミット(WCS)2015」オープニングセレモニー(2015年7月)(写真提供:世界コスプレサミット実行委員会)
 

漫画:国際漫画賞

海外における日本の漫画に対する人気は非常に高く,近年では漫画を読むだけではなく,職業として漫画家を目指す人たちも増えてきています。このような時流を受け,2007年に創設されたのが,国際漫画賞です。国際漫画賞は,当時の麻生外務大臣が,世界に広がる漫画文化を通じて国際交流と相互理解の輪を広げることを目的として創設したもので,応募作品から最優秀賞1作品,優秀賞3作品を表彰します。また国際交流基金が授賞式に合わせて受賞者を日本に招へいし,受賞者たちは日本の漫画家との懇談や出版社への表敬訪問などを行います。第1回では,26の国と地域から146点の作品が集まりましたが,回を重ねるごとに広がりをみせ,第9回を迎える2015年度は,46の国と地域から259点もの作品が集まりました。この第9回の授賞式は,2016年2月に行われる予定です。

わかる!国際情勢 Vol.14 「国際漫画賞 ~日本ファンを増やそう!」

第8回国際漫画賞授賞式(2015年2月)
 

コスプレ:世界コスプレサミット(WCS)

コスプレは,日本発のポップカルチャーであり,若者をはじめとする多くの人々の間で楽しまれているエンターテインメントのひとつです。各国で様々なコスプレイベントが開催されていますが,その最高峰に位置するのが,世界コスプレサミット(WCS)です。WCSは2003年より名古屋で開催されている世界最大のコスプレイベントで,新しい国際交流を創造する機会としても注目を集めています。参加チームは年を追うごとに増え続け,2015年には26の国と地域から参加者が集まりました。外務省も2009年より,実行委員会のメンバーとして参加し,優勝チームには外務大臣賞を授与しています。各国代表のコスプレイヤーの外務省訪問は毎年の恒例行事となっており,2015年は初参加のフィリピンベトナムポルトガルクウェートの代表計8名が,華やかなコスプレ姿で訪問しました。

「世界コスプレサミット2015」における外務大臣賞授与。参加国代表による外務省訪問。
 

各国での文化事業

大使館や総領事館などの在外公館や国際交流基金では,日本文化の理解促進のため,様々な分野の日本文化を海外で紹介しています。近年では現地のニーズに応える形で,ポップカルチャーをテーマにした各種事業を積極的に実施しています。例えば,2015年7月にモンゴルの首都ウランバートルで開催された「日本ポップカルチャー・フェスティバル」では,在モンゴル日本国大使館によるコスプレコンクール,アニメソング選手権,アニメクイズ等が実施されました。また,2015年9月に開催された「ジャカルタ日本祭り」では,Japan Week Eventでのステージや約3万人もの観衆が詰めかけるクロージングイベントで,JKT48のパフォーマンスを行い,多くのインドネシアの方々の歓声を集めました。また,会場には多くのコスプレイヤーが集まり,日本発のポップカルチャーの広がりを感じさせる場となりました。その他にも世界各国で様々なイベントが開催されており,それぞれ大きな盛り上がりを見せています。

 

アニメ:アニメ文化大使

在外公館等が主催する,ポップカルチャーを通じた文化事業のひとつに,「アニメ文化大使」があります。「アニメ文化大使」とは,諸外国で日本のアニメ作品を上映し,日本アニメに対する理解を深めるとともに,日本そのものへの関心に繋げることを目的としている事業です。2008年,現代日本の生活習慣を描いているアニメ作品「ドラえもん」に「アニメ文化大使」への就任を要請し,映画『ドラえもん のび太の恐竜 2006』を,各国との関係の節目の年の事業や「Japan Week」などの在外公館の広報文化事業にて上映するとともに,アニメ関係者による講演会などのイベントを実施しています。

「ドラえもん」にアニメ文化大使の就任要請書が手渡されたときの様子(2008年3月)
 

テレビ:放送コンテンツの海外展開

また,今後ポップカルチャーを世界に売り出していくための市場開拓についても,新たな取組を開始しています。総務省外務省経済産業省観光庁等の関係省庁が連携し,日本に対する理解を深める放送コンテンツ等の海外展開を強力に支援しています。「訪日外国人観光客の増加」や「日本の最先端の音楽・ファッション等の発信」などを目的とした放送コンテンツの製作や,海外に継続的に発信するモデル事業を実施し,観光需要の増加や販路の開拓などを促進しています。外務省は,国際交流基金を通じ,商業ベースでは販売が困難な途上国などを対象に,地方の民放局をはじめとした各テレビ局等が有するテレビドラマ等のコンテンツのうち,より相手国のニーズに応じた放送コンテンツを選定し,無償供与するなどの施策も実施しています。

 

ポップカルチャーの果たす役割

このように日本のポップカルチャーは,伝統文化と並ぶ,日本を代表する文化のひとつであるとともに,日本と日本の文化・言語に対する関心につながる入口でもあります。またポップカルチャーが,日本人の創造性の豊かさや,自由な発想を許す日本社会を体現していることから,多面的な日本の魅力を効果的に諸外国に発信するための,重要なツールとしても位置付けられています。日本という国に対する理解や親近感を深めてもらうことは,日本人が国境を越えた活動や世界の人々との交流を円滑に進めていく上で不可欠です。文化交流は,日本外交の重要な分野であり,中でもポップカルチャーの果たす役割は,今後ますます大きくなっていくことと思われます。

 
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