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Vol.111 2014年3月14日
日・カリブ交流年2014 ~遠くて近いカリブの魅力を探る

2014年は,日・カリコム事務レベル協議を開始してから20年が経過し,さらにジャマイカ及びトリニダード・トバゴとの,それぞれ外交関係樹立50周年にあたります。これらを記念して制定した「日・カリブ交流年2014」にちなみ,今回はカリブ共同体諸国について紹介するとともに,日本とカリブの交流について解説します。

カリブ共同体(CARICOM:カリコム)とは?

カリブ共同体(CARICOM:カリコム)諸国カリブ海には大小様々な島国があり,カリブ海沿岸にも多数の国があります。1973年に,域内の経済統合を目指して設立されたのが,カリブ共同体(CARICOM:カリコム)です。現在,カリコムに加盟しているのは,アンティグア・バーブーダバハマバルバドスベリーズドミニカ国グレナダガイアナハイチジャマイカセントクリストファー・ネーヴィスセントルシアセントビンセント及びグレナディーン諸島スリナムトリニダード・トバゴの14か国及び1地域(英領モンセラット)です。カリコム諸国間では,外交政策の調整の他,社会的・文化的・技術的発展のための様々な協力等を行っています。また,他の中南米諸国はスペイン語圏の国が多いのに対し,カリブ共同体の国々は,フランス語圏のハイチ及びオランダ語を公用語とするスリナムをのぞき,いずれも英語を公用語としています。

カリコム諸国14カ国
 

カリコム諸国の特徴①―共通性

19世紀初頭にフランスから独立したハイチを除き,カリコム諸国は1960年代から1980年代にイギリスから独立した(スリナムはオランダから独立),比較的新しい国家です。カリコム14か国は島国ないしカリブ海に面する沿岸低地国であり,人口も小規模な国家が主となっています。人種としては,各国毎に特徴はあるものの,サトウキビ等のプランテーション労働力としてアフリカから連れてこられた黒人の末裔が主となっています。 こうした歴史的経緯に由来する共通項があるため,カリコム諸国は経済・通貨・金融政策を統一した単一市場を形成することを目標としており,外交政策を調整して国連などの場でまとまった行動を取る傾向にあります。また,アンティグア・バーブーダ,ドミニカ国,グレナダ,セントクリストファー・ネーヴィス,セントビンセントの6か国は,人口5万強から約18万とカリコム諸国の中でも特に小さい国々であるため,カリコムとは別に東カリブ諸国機構(OECS )というグループを作って協働しています。

 

カリコム諸国の特徴②―多様性

一方で,カリコム諸国は多様性に富んだ世界でもあります。産業構造も,天然ガスやボーキサイト,金等のエネルギー・鉱物資源を有するトリニダード・トバゴやジャマイカ,スリナムといった国が存在する一方,主な外貨収入源をもっぱら観光に頼っている国もあります。また,一人あたりの国民総所得(GNI)が760ドルのハイチから,2万ドルを超えるバハマまで,経済格差もあります。 文化も多様性に富んでいます。ジャマイカで誕生した「レゲエ」は,世界中にファンが多く,R&B,ジャズ,ソウル,ヒップホップなど異なったジャンルの音楽が融合したクロスオーバーも見られるなど,非常に存在感があります。トリニダード・トバゴで誕生した「スティールパン」も,日本でも近年人気が高まってきています。その他に,カリブの海賊たちに愛されたという「ラム酒」や,世界的にも有名なトリニダード・トバゴの「カーニバル」,人々の日常生活や農村風景,動植物等を素朴かつ独特の作風で豊かに描いた「ハイチ絵画」があります。さらに,スポーツでは,旧英国植民地国では一般的にクリケットが人気ですが,ジャマイカではウサイン・ボルト氏に代表されるスプリンターを輩出するなど陸上競技が盛んな他,スリナムではサッカーが人気で,オランダ・リーグで活躍する選手が多くいます。

トリニダード・トバゴのカーニバルの様子 スティールパン
 

カリコム諸国の特徴③―脆弱性

カリブ海の島々と言えば,温暖な気候やエメラルドグリーンの海と白浜,クルーズ船,豊かな自然を楽しむ観光が盛んです。「ブルーホール」に代表されるベリーズの珊瑚礁保護区や, “双子の山”と呼ばれるセントルシアのピトン山などの世界遺産はよく知られています。 しかし,観光業が主な産業であるということは,地理的に近い欧米諸国などの経済状況に左右されるということを意味します。特に2008年の世界的な経済危機の際には,多くのカリコム諸国もマイナス成長を余儀なくされました。国土が狭く人口が少ないため,国内の生産や市場規模が小さく,生活必需品や食料,エネルギーを輸入しているなど,外部経済に依存する面が大きく,経済的に脆弱であるという側面も有しています。 また,カリブ海地域はハリケーン等自然災害が多発する地域であり,一度ハリケーン被害が生じると,国全体に非常に大きな被害が生じ,そこからの復興は容易ではありません。ハイチでは2010年に死者約32万人が生じる大地震が発生し,大きな被害を受けました。

ベリーズの「ブルーフォール」 セントルシアの「ビトン山」
 

日本とカリコム諸国との交流

第3回日・カリコム外相会合の様子(2013年9月)日本は,ジャマイカとトリニダード・トバゴ,ハイチに大使館を設置しており,カリコム諸国との友好関係を促進するために,日々連絡を密にしています。また,「日・カリコム事務レベル協議」をほぼ毎年開催している他,2013年9月には,「第3回 日・カリコム外相会合 」を行いました。日本もカリコム諸国の大半も島国であり,海洋国家であること,ハリケーンや地震等の自然災害を受けやすいなどの共通点があることから,特に防災,環境分野を中心とした経験の共有と協力を行っています。

 

「日・カリブ交流年 2014」

「日・カリブ交流年2014年」ロゴマーク2014年は,日・カリコム事務レベル協議開始後20年が経過した年であるとともに,ジャマイカ及びトリニダード・トバゴとの国交樹立50周年にもあたります。これを記念し,日本とカリコム諸国との間で2014年を日・カリブ交流年とすることが決定されました。日本とカリコム諸国の交流を深めることを目的とした記念事業(PDF)を日本及びカリコム諸国の双方で実施予定です。交流年の事業として認定されたイベントには,広く一般から募集した上で選定した日・カリブ交流年のロゴマーク(折り紙の鶴とヘリコニア(熱帯植物)の花をモチーフにしています)を付しています。 日本においては,日本及びカリコム諸国の架け橋となる若手外交官14名を招聘するプログラムを2月に実施,その機会に,「カリコム若手外交官招聘」歓迎及び「日・カリブ交流年 2014」記念レセプションを開催し,大盛況を得ました。 このようなプログラムや「日・カリブ交流年 2014」を通じた様々な機会を通じ,今後さらに,日本とカリコム諸国の絆が深まっていくことが大いに期待されます。

日・カリブ交流年 2014年リーフレット
表面(PDF)
裏面(PDF)

カリコム諸国若手外交官による石原外務大臣政務官表敬の様子
(2014年2月19日) 「カリコム若手外交官招聘」歓迎及び「日・カリブ交流年 2014」記念レセプション
(2014年2月19日)
 
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