OECDの前身は、第二次世界大戦後の1948年に発足したOEEC(欧州経済協力機構)で、マーシャル・プランに基づく欧州諸国側の援助の受け入れ体制の整備等、欧州経済の復興と発展に貢献しました。その後、OEECを改組し、1961年に世界的視野に立って国際経済全般について協議する目的でOECDが設立されました。こうした歴史的経緯から、OECDは以下の3つを主な目的としています。1.経済成長資金循環の安定を維持しつつ高度の経済成長を持続すること、雇用の増大及び生活水準の向上を図ること。2.開発途上国援助経済発展の途上にある地域の健全な経済成長に貢献すること。3.自由かつ多角的な貿易の拡大国際的義務に従い、多角的かつ無差別な基礎に立った世界貿易に貢献すること。1.安定したマクロ経済運営や経済政策上の国際協力 世界経済の安定と発展のため、加盟国・新興国を含むグローバル経済について協議し、非加盟国に対する支援にも繋げています。また、関連するデータの収集・分析を行い、エコノミック・アウトルック(経済見通し)をはじめ各国経済についての報告書を作成しています。 国際課税分野では、1963年に国際課税ルール策定の一環としてOECDモデル租税条約を策定し、時代の要請に応じて随時改正しています。また、国際経済のデジタル化を踏まえ、「税源浸食及び利益移転(BEPS)プロジェクト」を通じて、多国籍企業の国際的な課税逃れに対処しています。2.自由貿易・投資の促進 WTOを中心とする多角的貿易体制の強化に資する分析等を行っているほか、資本移動、サービスに関する自由化規約や各種の分析作業を通じ投資の自由化を推進しています。また、国際投資や企業活動において遵守すべきルールの普及のため、責任ある企業行動やコーポレートガバナンスの推進を目的とし、「多国籍企業行動指針」、「外国公務員贈賄防止条約」、「コーポレートガバナンス原則」等を策定しています。3.新たな経済・社会分野の諸課題への対処 AIや自由なデータ流通などデジタル分野の共通ルール作りを主導するとともに、ジェンダー平等の推進、少子高齢化に伴う雇用問題、学校教育のあり方等について分析を行い、相互に関連する各国の政策策定に貢献しています。OECDの三つの目的OECDの主な活動
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